1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610032
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
中牧 弘允 国立民族学博物館, 先端民族学研究部, 教授 (90113430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 興匡 東京大学, 大学院・社会人文学系, 助手 (40292742)
石井 研士 國學院大学, 文学部, 助教授 (90176131)
安達 義弘 福岡国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (60175891)
山田 慎也 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助手 (90311133)
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Keywords | 会社儀礼 / 入社式 / 社葬 / ダスキン / 社員研修 / ソニー / 葬儀社 / 稲荷信仰 |
Research Abstract |
本年度調査した主な会社儀礼は入社式と社葬である。入社式については大阪に本社をおくダスキンを対象としたが、そこでは一燈園とのつながりが入社式に反映されていることが判明した。また、新入社員研修だけでのなく昇進時の社員研修なども一燈園でなされており、宗教的な修行の形態をとった社員教育の実態を調査できた。社葬についてはソニーの盛田昭夫会長のホテルを会場とする社葬を調査した。これは通常の社葬とは異なって、国際色豊かな演出が随所に見られると同時に、国際人としての盛田会長にスポットが当てられ、企業としてのソニーとカリスマ的創業者としての盛田会長という側面からの分析に道を拓くものであった。 社葬はふつう大手の葬儀社が介在して企画・執行されるが、本年度は東京の大成祭典と名古屋の一柳葬具総本店を中心に調査した。とくに一柳は昭和の初期に社葬を執行して以来、名古屋地域の社葬の大半を手がけてきたところから、社葬の歴史的変遷を追うのに有益なデータの収集ができた。また、社葬を通じて、その会社の社員の葬儀にも一柳が深く関わっていることも判明した。 上記の調査は中牧、村上、山田が主に担当したが、石井は京都伏見稲荷神社において会社関係の儀礼調査に従事し、安達は九州の酒造関係の地場産業を対象に儀礼的側面からの調査をおこなった。前者では稲荷信仰が会社ならびに会社員の強化儀礼という特質を有していることが解明され、後者においては伝統産業と宗教とのかかわりに関する貴重な知見が得られた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 中牧弘允: "会社掟―現代サラリーマン事情"覚悟と生き方(岩本通称編). 24-52 (1999)
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[Publications] 中牧弘允: "葬墓制を通して会社を見る―経営人類学の視点から―"SOGI. 9巻3号. 45-47 (1999)
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[Publications] 村上興匡: "これからの葬儀と僧侶の役割を考える(2)"寺門興隆. 2000年1月号. 74-81 (2000)
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[Publications] 村上興匡: "戦後の葬儀参加行動および意識の変化―葬祭業の展開を手がかりに"宗教研究. 73巻4号. 308-309 (2000)
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[Publications] 中牧弘允: "入社式とフィールドワーク"URC(2000年4月掲載予定). (2000)
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[Publications] 村上興匡: "これからの葬儀と僧侶の役割を考える(1)"寺門興隆. 99年12月号. 78-86 (1999)
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[Publications] 中牧弘允: "サラリーマンという人種"URC. 88号. 20-21 (2000)