2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610157
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
和田 万紀 浜松大学, 国際経済学部, 助教授 (30210983)
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Keywords | 香り / ストレス / 心収縮周期 / 血圧 / sIgA / 特性不安 |
Research Abstract |
香りがストレス低減に与える効果について、健康な女子大学生を対象としてスピーチ場面での効果を検討した。スピーチ場面は、安静期、スピーチ準備期、スピーチ実施、スピーチ後安静期にわけて検討した。まず、スピーチ場面での唾液中の分泌型免疫グロブリンA(sIgA)濃度を測定した。その結果、唾液分泌量は、安静期とスピーチ準備期との間では、安静期の方が多かったが、唾液中のsIgA濃度は、スピーチ準備期の方が高かった。同時に、連続的脈圧記録から測定された心収縮周期と血圧の時系列解析を行った。その結果、収縮期圧と平均血圧は、好きな香りの有無とは無関係に、スピーチ準備期の方が安静期よりも高かった。しかし香りが無い場合のみ、安静期の方がスピーチ準備期よりも、P-P間隔が長いこと、および、心周期の変動係数は、スピーチ準備期の方が安静期よりも大きいことが認められた。次に、特性不安の高低という個人差と、好きな香りの有無による効果を検討すると、変動係数の変化パターンに、特性不安の高低と好きな香りの有無が交互作用を与えることが認められた。つまり、特性不安が高いと、好きな香りがある方が無い場合よりも、変動係数が小さくなった。一方、特性不安が低いと、好きな香りが無い方がある場合よりも、変動係数が小さくなった。さらに特性不安が高いと、特性不安が低い場合よりも、LF/HFが小さかった。これらのことから、香りがストレス低減に与える効果には、個人差要因、特に特性不安の高低という要因が媒介することが示唆される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nagai Masanori: "Pleasant odor attenuate the blood pressure increase during rhythmic handgrip in humans."Neuroscience Letters,. 289. 227-229 (2000)
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[Publications] 和田万紀: "香りと対人コミュニケーション=好きな香りが対人距離の認知に与える効果="浜松大学国際経済論集. 7・2. 171-177 (2000)