2001 Fiscal Year Annual Research Report
米国都市教育委員会のアカウンタビリティ制度と学校の自己評価体制に関する実証的研究
Project/Area Number |
11610259
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
坪井 由実 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50115664)
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Keywords | 教育委員会 / アカウンタビリティ / 学校評価 / 校長選考 / 学校改善計画 |
Research Abstract |
2001年9月17日より30日まで2週間にわたり、ロサンゼルス学区の学校自己評価体制について、教育委員やアセスメント担当教育長など約20名に対する面接調査をするなかで、現在5つの学校経営システムがあり、それぞれユニークな自己評価制度を開発してきていることが明らかになった: (1)1992年から始まったSBM(School Based Management)校は、教員組合との労働協約(第27章)によって制度化された学校経営方式で、校長人事、カリキュラム、予算などにわたって強力な権限をもっている。(2)LEARN(Los Angeles Educational Alliance for Restructuring Now)校は、1993年にスタートした教育委員会と教育長が父母住民とともにすすめてきている学校改善プログラムで、各校に学校評価を行うSchool Leadership Councilが設置され、特に教職員や父母住民の研修が重視されている。(3)1993年よりチャータースクールも始まり、自治権を持つと同時に、ハイレベルのアカウンタビリティが要求され、財政的にも自立したチャータースクールが14校、財政的には自立していないチャータースクールが26校ある。その後、1999年のカリフォルニア州公立学校アカウンタビリティ法(Public School Accountability Act)により、API(Academic Performance Index)による児童・生徒の基礎学力テスト成績を重視する傾向の中で、(4)CSRD(Comprehensive School Reform Demonstration)さらには、(5)II/USP(Immediate Intervention and Underperforming Schools Program)といった、連邦および州補助金を活用した特別支援プログラム校がそれぞれ32校、86校指定され、学区教育委員会の強い指導のもとに学校改善政策がすすめられている。なお、3つの学区(シカゴ、ニューヨーク市、ロサンゼルス)を比較検討するなかでアメリカの学校自己評価制度の特徴を明らかにし、報告書にまとめることができた。
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