2000 Fiscal Year Annual Research Report
非西欧世界における「清潔さ」「衛生」「健康」概念の変容
Project/Area Number |
11610311
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
足立 明 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90212513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 太郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70304970)
内山田 康 国際開発高等教育機構, 主任研究員
加藤 剛 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (60127066)
井上 昭洋 北海道大学, 文学研究科, 助手 (20271702)
清水 和裕 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助手 (70274404)
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Keywords | 清潔 / 衛生 / 健康 |
Research Abstract |
本研究の目的は、非西欧世界における「清潔さ」「衛生」「健康」「身体」概念の変容を、保健医療に関わる開発現象を中心に検討することであった。そのため、これまでの公衆衛生の社会史、文化史の成果を整理し、また各研究者の蓄積してきた諸社会の民族誌的・歴史的経験をもとにして、保健医療の導入と「清潔さ」「衛生」「健康」「身体」概念の変容に関する分析枠組みの検討・整理を行おうとしたのである。 平成11年度は、西欧世界を中心とした保健医療の導入とその社会文化的影響に関する既存の文献を収集し、それらを分担して検討した。その主な内容は、上下水道の導入に関する社会文化的影響、保健医療の制度化と宗教の世俗化、保健医療の導入と疾病傾向の変容、キリスト教宣教師と「清潔」「衛生」概念であった。これにたいして、平成12年度は、各自の蓄積してきた諸社会の資料を整理した。その結果、20世紀初頭の植民地下では、西欧の健康概念と西欧的核家族概念が結びつき、社会変容に寄与する可能性が分かってきた。また、このようなテーマで研究する上で、新しい研究視角の議論も行い、人、モノ、言葉のネットワークをいかに把握するかという方法論的検討も行った。 もっとも、現地調査を前提としていないこの研究では、資料的に限界があり、その意味で、本研究は今後の海外学術調査の予備的な作業という性格が強いものとなった。今後は、さらなる研究に向けた体制の立て直しを計る予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Uchiyamada,Y,: ""Industrial sewing machines, work-disciplines and aesthetics-Of anthropological cliches and a letter from Bohol""CRITIQUE OF ANTHROPOLOGY. 20・3. 243-264 (2000)
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[Publications] 山本太郎: "性感染症対策"『診断と治療』. 80・8. 1295-1299 (2000)
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[Publications] 清水和裕: "グラームの諸相-アッバース朝におけるイエと軍事力"『西南アジア研究』. 52. 38-58 (2000)
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[Publications] Inoue Akihiro: ""Academism and the Politics of Culture in the Pacific""Anthropological Forum. 10・2. 157-177 (2000)
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[Publications] 足立明(共著): "『地域発展の固有論理』(原洋之介編著)"京都大学学術出版会. 312 (2000)