両大戦間期における日本陸軍の政治・軍事・社会認識

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11610351
• Research Institution: Tokyo Woman's Christian University
• Principal Investigator: 黒沢 文貴 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (00277097)
• Keywords: 日本陸軍 / 両大戦間期 / 政治・軍事・社会認識 / 精神教育

Research Abstract

本研究は両大戦間期における日本陸軍の政治・軍事・社会認識を分析することによって.日本陸軍がなぜ激動の昭和史の推進主体となったのかを明らかにしようとするものである。その際研究手法として陸軍軍人の認識や思想に主たる焦点をあてるため、史料的には、公文書、私文書、刊行物等を問わず広く軍人の認識や思想を知ることができる文書を渉獵する必要がある.したがって研究は、関連史料の所在調査、収集、整理を軸に進めなければならないが平成12年度は、前年度に引き続き、国立国会図書館憲政資料室と防衛研究所図書館所蔵史料を中心に調査を進めた.史料収集としては、前年度からの続きとして、宇垣一成元陸相関係文書部分、真崎甚三郎元教育総監の関係文書の一部を複写、収集した.また当該期の政治・軍事関係を知る上で重要かつ不可欠な史料である倉富勇三郎元枢密院議長の日記,田健治郎元枢密顧問官の日記、民政党の重鎮安達謙蔵代議士の書翰等をあらたに複写・収集した.と同時に複写物の整理を並行して進めた.次年度も引き続き憲政資料室所蔵史料と今年度は複写を見送った防衛研究所所蔵史料の調査・収集を中心にした作業をおこなうとともに、他機関の史料調査・収集もおこなうことにしたい.とくに軍の教育思想・精神教育面を知りうる史料の収集を予定している.