1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610457
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Research Institution | Kanto Junior College |
Principal Investigator |
鹿倉 秀典 関東短期大学, 国文科, 助教授 (40206066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊澤 弘伸 関東短期大学, 国文科, 助教授 (40207642)
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Keywords | 近世歌謡 / 常盤友 / テキストデータ / 語彙索引 / 日本文化 |
Research Abstract |
まず、鹿倉は「近世歌謡詞章と戯作(『江戸文学』20)において、江戸期の「歌謡本」が当時の人々に「読まれた書」であったことを論じた。また、「明和年間「長唄」記事-国立図書館蔵「おぎえ節正本集」をめぐって-」(同鹿倉『国語と国文学』911)を発表し「寄せ本」の実態を明らかにした。以上は、江戸の文化および文学研究のなかに、本課題で扱う「歌謡本(書)」を明確に位置づけるための活動である。 一方、豊澤は語彙関連の国語教育論をいくつか発表しつつ、これと平行して、明和から安永に刊行された所謂「常盤友系」の唄本(『唱歌/新聲 常盤友』(明和三年)『新板/増補 常盤友』(明和七年)『常盤友』(安永三年)など)のプレーン・テキスト・データ(機械可読テキスト)を作成した。この作業は、「語彙分析」さらには「索引作成」の基礎となるものであり、今後、鹿倉・豊澤共同で、諸本(諸板)を対照し、より正確なテキストとすべく継続する。 なお、海外における「歌謡本」調査の収穫として、ケンブリッジ大学図書館において柳亭種彦自筆書き入れのある「くどき節集」を閲覧、この写真版を手に入れている。また、大英図書館には、孤本の「豊後節正本」(表紙絵を歌麿画とするが存疑)および国内では既に散逸してしまった四種の長唄詞章を載せる「寄せ本」を閲覧した。ただし、大英図書館の収蔵書の複製は今のところ不可となっており、さらなる現地調査の必要を感じている。 以上が、本課題における今年度活動実績の概略である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 鹿倉秀典: "近世歌謡詞章と劇作"江戸文化(ぺりかん社). 20. 51-74 (1999)
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[Publications] 鹿倉秀典: "明和年中「長唄」記事-国立国会図書館蔵「荻江ぶしけいこ本」をめぐって-"國語と國文学(東京大学国語国文学会). 911. 94-107 (1999)
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[Publications] 豊澤弘伸: "五十音図と知育玩具"国語教育研究(日本国語教育学会編). 323. 66-67 (1999)
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[Publications] 豊澤弘伸: "他教科の基礎に立つ国語科教育」"(国語科教育の理論と実践 甲斐睦朗監修・現代教育社刊). 219-221 (1999)
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[Publications] 鹿倉秀典: "狂文宝合記の研究(延廣真治他と共著)"汲古書院. 320 (2000)