2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610460
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
和田 恭幸 国文学研究資料館, 文献資料部, 助手 (20260002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 真麻理 国文学研究資料館, 文献資料部, 助手 (50280532)
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Keywords | 書誌学 / 版本 / 出版 / 近世文学 / 仏教文学 / 近世仏教文学 / 近世仏教 |
Research Abstract |
本研究は、近世期に刊行された通俗仏教書の刊行年表を作成し、書肆名(出版業者名)ごとに分類整理することを目的とする。 ただし、出版件数の面では、在家対象の通俗仏書より、僧侶や学者一般を対象とする専門的な仏学・宗学書の方が多い。さらに、近世の各時期(前期・中期・後期)には、各宗派の学問・政治の双方にわたり、各々に異なった特色が見られる。そうした諸事情は、専門的な仏学・宗学書の出版状況に、極めて強い影響を及ぼしている。 今年度、本研究の経過において、通俗仏書の出版状況にもまた、件の専門的な仏学・宗学書の動向が、無視しがたい影響力を有することが、新たな問題点として浮上してきた。 そこで、本研究において作成する通俗仏書の刊行年表にも、内容・書誌事項の双方に、より具体性を伴った変遷過程を表示すべく、専門的な仏学・宗学書を視野に入れたデータ作成が急務となった。 前記の経緯により、今年度の研究活動は、通俗・非通俗を問わず、幅広く近世期における仏書の刊行状況を見渡すため、各大学の附属図書館を含む資料保存機関の所蔵目録及び『仏書解説大辞典』『新纂禅籍目録』に登載される仏書刊本を、新たにパソコン入力し、年表化及び内容分類を行う作業を活動の中心に据えた。 これにより、今年度は出版業者名の採集には、やや消極的な活動とならざるを得なかったが、近世の各時期における通俗仏書の内容面の変遷と、近世仏教の各時期ごとの特色とを、より具体的に連携させる余地を新たに開拓する方向及びその方法を獲得することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 和田恭幸: "浅井了意の仏書とその周辺(四)-新しいタイプの因縁集について-"国文学研究資料館紀要. 27号. 229-258 (2001)
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[Publications] (共著)和田恭幸,岡雅彦: "近世初期版本刊記集影(五)"調査研究報告. 21号. 161-202 (2000)
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[Publications] 和田恭幸: "『法林樵談』の人名索引と典拠"藝能文化史研究. 19号. 15-21 (2001)