2000 Fiscal Year Annual Research Report
古王国時代エジプト聖刻文字法の研究(機械可読データベース化の試み)
Project/Area Number |
11610563
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
塚本 明廣 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (60037017)
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Keywords | ピラミッド・テキスト / 聖刻文字 / 文字論 / 古代エジプト語 / アフロ・アジア言語学 / データベース / sedスクリプト / バツチ・ファイル |
Research Abstract |
本年度(研究計画2年目)の研究成果は、以下のとおりである。 1 ゼーテ(K.Sethe)の底本に基づき、ピラミッド・テキスト本文第458章第863節まで入力した(H13.3.9現在)。これは底本の約半分に迫る分量であり、本年度当初計画の約95%に相当する。 2 年度当初の懸案および本年度新たに生じた課題の内、ほぼ解決を見たものは以下のとおりである。 (1)複数や双数を表す(字形の異なる3連限定符も含む)連字の入力簡素化とそれに伴う翻字スクリプトの改変 (2)ファラオ毎の本文の有無を一覧表示するバッチ・ファイルの作成 (3)ファラオ毎に異なる対応本文の異同を行単位で対照表示するバッチ・ファイルの改善 これにより、異同確認のための視認性を向上する以下の3種の出力が可能になった: a.復元本文を含む表示(原文復元および辞書索引の自動作成に不可欠な表示である) b.復元部分の反転表示(語形が乱れる欠点がある。主たる機能は入力作業の支援にある。) c.翻字表示(辞書の自動作成に不可欠。フォントが完備すればエジプト文字による表示も可能である) (4)上記の行単位に対して、一語毎に比較対照するバッチ・ファイルの改善 ただし、転移を含む連語形が同期を乱す場合が最近見つかったため、一部不満な点を残す。 (5)節(clause)単位での統語構造表示スクリプトの具体的用例に基づく検証 適用例は数10節に過ぎないものの、特に並行文型が見つけやすく、研究に資する可能性は充分にある。 以上のバッチ・ファイルおよびスクリプトは、データベースの完成度を高めるための本文校合と相互参照との作業の中で、機能の確認と必要に応じた微調整とを絶えず行なっている。ごく最近の調整例として、第852節の復元個所における繰り返し記号([zp]_2)の処理がある。
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Research Products
(1 results)