2002 Fiscal Year Annual Research Report
古王国時代エジプト聖刻文字法の研究(機械可読データベース化の試み)
Project/Area Number |
11610563
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
塚本 明廣 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (60037017)
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Keywords | ピラミッド・テキスト / 聖刻文字 / 文字論 / 古代エジプト語 / アフロアジア言語学 / データベース / Sedスクリプト / バッチ・ファイル |
Research Abstract |
本年度(研究計画最終年度)の研究成果は、以下のとおりである。 1 フォークナー(R.O.Faulkner)編纂の補遺を、言語学的情報を付した翻字方式に従って入力した。これにより、ゼーテ(K.Sethe)編纂分と共に、ピラミッド・テキスト全文が機械可読データベースとして利用可能になった。 2 これと並行して、日本語への翻訳を行ないながら、実際に研究用データベースとして使用可能であることを検証した。同時に、細部にわたって校訂を行なったが、入力に劣らぬ時間と労力を要することが痛感された。この作業は、今後も継続すべきものである。今後新たな研究計画を立てる場合に、考慮すべき事柄である。 3 ピラミッド・テキスト・データベースは、現時点(2003年3月12日)でもウェブ上に見当たらず、本データベースの公開には相応の学的貢献が期待できる。ただし、既に校訂作業を重ねたとは言え、未だに誤記が発見されるため、徐々に公開せざるを得ない(誤植の多い辞書が信用を失うのと同様の事態は招きたくない)。ホームページの設計自体は、年度当初の計画どおり、以下の特徴を持つものが実現できた:(1)ファイルの軽量化・報分化を図る、(2)HTML形式による、(3)利用者と双方向的に惰報交換ができる。 4 本データベースが統語的研究用に拡張できることは検証できたものの、議目の多い文法解釈をデータベースに盛込むことの得失を考慮し、統語惰報を追加したデータは別のファイルとして扱うことにした。 5 データベース利用者向けに、プログラム・スクリプト類を解説した利用の手引きを作成し、研究成果報告書として纏めた。(研究会等の機会に無償で配布することを考えている。) 6 年度当初の研究計画には含まれなかったものの、日本語訳を行なう中で、統語解析との組合せにより、本データベースから日本語への翻訳を大幅に自動化する可能性が着想され、試行中である。出力結果に対して3〜4割程度の手入力による修正が必要という感触から推して、現在は6〜7割方の自動化達成度と評価できよう。
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Research Products
(1 results)