1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11620025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横田 耕一 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (80038455)
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Keywords | アファーマティヴ・アクション / ポジティヴ・アクション / 逆差別 / 集団的人権 / 積極的改善策 / 暫定措置 / 差別 / 平等 |
Research Abstract |
本年度は、アファーマティヴ・アクションの正確な実態把握を目指したが、「追加採択」であったため時間的制約があり、本格的な研究は次年度に展開することにし、資料収集とそれらの整理に主として集中した。しかし、さしあたり、以下の中間的成果を得た。 1 アファー一マティヴ・アクションは、今日、国際的に評価されている政策であって、もはや後戻りできないものであること。とくに、「国際人権」の分野においてそうであることが、近年の諸条約や宣言等の検討によって明らかになった。 2 にもかかわらず、アファーマティヴ・アクションの「先進国」である米国においては、この政策に対する反発が各地で高まっており、カリフォルニア州の例に見られるように、この政策を基本的に放棄する動きもある。そこで、なぜこの政策が放棄されるようになったか、またその結果どうであったか、などにつき、カリフォルニア州のプロポジシヨン207を例として大まかに把握した。もっとも、この点についてのより深い検討は次年度の課題である。 3 日本の「男女共同参画社会基本法」が規定した、「積極的改善措置」の概念について整理した。 4 次年度においては、上記の検討を一層進めるとともに、当初の予定どうり、より包括的な研究を進めることを計画している。
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