1999 Fiscal Year Annual Research Report
非線形・非定常モデルによる経済時系列データの分析法とその応用
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11630028
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前川 功一 広島大学, 経済学部, 教授 (20033748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福地 純一郎 広島大学, 経済学部, 助教授 (00274043)
小瀧 光博 広島大学, 経済学部, 助教授 (00194564)
北岡 孝義 広島大学, 経済学部, 教授 (60116572)
久松 博之 香川大学, 経済学部, 助教授 (90228726)
ピント・ドス サントス 広島大学, 経済学部, 講師 (20274045)
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Keywords | 非線形回帰モデル / 非定常時系列 / 単位根 / 共和分 / 因果性 / 漸近分布 / SURモデル / 構造変化 |
Research Abstract |
(1)研究代表者、分担者らは、本研究の課題である非線型・非定常時系列分析の理論と応用に関連した内外の研究者らとの意見交換、共同研究のために、各地の大学や研究機関へ赴き、大きな成果をあげた。なかでも代表者前川のスペイン、イギリス出張で得られた意見交換と情報は有益であった。特に前川が、8月にスペイン滞在中の非定常時系列研究の世界的権威であるGranger教授に面会し、意見交換を行い有益な示唆が得られ、進行中の研究に早速生かされた。またその情報を分担者に伝え、各自の研究との関連を検討した。他方、非定常時系列分析の世界最先端の研究者であるイェール大学のP.C.B.Phillips教授にシンガポールで面会し、非線型・非定常時系列分析の最近の研究動向を聞くことが出来た。平成12年度にはその成果を取り入れたい。 (2)本研究の応用面で不可欠な株価日次データ収集のためにピント・ドスサントス・ミゲルは、NHK文字放送から株価日次データを採取・分析するシステムを導入した。その成果は論文「株主数の決定要因」(広島大学経済論叢)の中で生かされている。 (3)非定常性の下での因果性、構造変化の検定、単位根の検定の理論的研究(前川、小瀧、久松)及びそれらに係るシミュレーションやブートストラップ法など数値計算的手法の研究(福地、倉田)を着実に実行し、論文「The use of the Durbin-Watson Test in Non-linear Regression」(Pakistan Journal of Statistics),「A testing method for Granger Causality in Cointegrated Time Series Systems」(広島大学経済論叢),「Subsampling and mode selection in time series analysis」(Biometrika),「非定常SURモデルの推定と検定の漸近理論-改訂版-」(香川大学経済論叢),「On the efficiencies of sevsral generalized least squares estimators in a seemingly unrelated regression model and a heteroscedastic model」(Journal of Multivariate Analysis)にその成果の一部を発表した。またこれらの成果は内外の学会においても発表された。また応用研究として金融政策の効果を因果性検定の枠組みで検証しようとする研究(北岡)は北岡の指導する大学院生らによって学会報告され、また博士論文としてまとめられた。 (4)今後の研究計画。(1)で述べたようにGranger教授の示唆を受けて非定常性の下での因果性検定に関する研究を論文にまとめる。また非定常性の下での構造変化の検定法を開発し日本のマクロ経済時系列に応用する研究も平成12年度には学会報告する予定である。その他の進行中の研究も統計学会、Econometric Society世界大会等で発表予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 前川功一: "The use of the Durbin-Watson Test in Non-linear Regression Models"Pakistan Journal of Statistics. 51・1. 41-46 (1999)
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[Publications] 小瀧光博: "A testing method for Granger Causality in Cointegrated Time Series Systems"広島大学経済論叢. 23・1. 49-87 (1999)
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[Publications] ピントドスサントス、ジョゼミゲル: "株主数の決定要因"広島大学経済論叢. 23・,1・2. 117-129 (1999)
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[Publications] 福地純一郎: "Subsampling and mode selection in time series analysis"Biometrika. 86・3. 591-604 (1999)
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[Publications] 久松博之: "非定常SURモデルの推定と検定の漸近理論-改訂版-"香川大学経済論叢. 72・1. 241-270 (1999)
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[Publications] 倉田博史: "On the efficiencies of several generalized least squares estimators in a seemingly unrelated regression model and a heteroscedastic model"Journal of Multivariate Analysis. 70・1. 86-94 (1999)