2002 Fiscal Year Annual Research Report
動的クォークの効果を取り入れた数値シミュレーションによる格子量子色力学の研究
Project/Area Number |
11640294
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大川 正典 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00168874)
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Keywords | 格子量子色力学 / ハドロン行列要素 / 動的クォーク |
Research Abstract |
強い相互作用を支配する法則は量子色力学であると考えられており、その定量的研究は素粒子物理学の量も重要な課題の一つである。これを可能にしたのが格子量子色力学であり、計算機の発達とともに数値シミュレーションにより物理量を定量的に求める方法が飛躍的に進歩して来た。我々の目的は、格子量子色力学の数値シミュレーションを動的クォークの効果を取り入れて行い、現象論的に重要なハドロンに関する種々の物理量を精度良く求める事にある。 (2+1)フレーバーの数値シミュレーションを行うのが物理的に最も重要なのであるが、最近まで広く用いられてきた数値シミュレーシヨンアルゴリズムHybrid-R法には運動方程式を、数値的に離散化する際に系統誤差を生み出す欠点がある。我々は系統誤差を排除出来る新しいアルゴリズムをO(a) improved Wilson actionに対して提案し、大規模な実用計算が可能なことを示した。O(a) improved Wilson actionは格子間隔aに比例した系統誤差を取り除くために考案された作用であるが、この誤差を完全に取り除くには作用に含まれるクローバー項Cswを決める必要がある。プラケットゲージ作用及び繰り込み群によって補正されたゲージ作用の場合にこの研究を行い、クローバー項Cswをゲージ相互作用定数の関数として決定した。得られた作用を用い、(2+1)フレーバーQCDの大規模数値シミュレーションを行い、ハドロンの質量等の種々の物理量の計算をした。これらの研究は格子間隔、クォーク質量等の(2+1)フレーバー格子QCDの基本的なパラメーターの決定の基礎となるものである。
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[Publications] M.Okamoto: "Charmonium Spectrum from Quenched Anisotropic Lattice QCD"Physical Review D. 65・9. 094808-1-094808-29 (2002)
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[Publications] S.Aoki: "I=2 pion scattering Length with the Wilson Fermion"Physical Review D. 66・7. 077501-1-077501-4 (2002)
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[Publications] S.Aoki: "I=2 pion scattering Phase shift with Wilson Fermions"Physical Review D. 67・1. 014502-1-014502-13 (2003)
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[Publications] S.Aoki: "Light hadron spectrum and Quark Masses from Quenched Lattice QCD"Physical Review D. 67・3. 034503-1-034503-46 (2003)
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[Publications] S.Aoki: "B^0-B^^-^0 mixing in Quenched lattice QCD"Physical Review D. (発表予定).