2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640323
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Research Institution | OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
萱沼 洋輔 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (80124569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚住 孝幸 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (80295724)
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Keywords | 量子ドット / 励起子 / 量子サイズ効果 / 励起状態の閉じ込め / 2光子過程 / 過渡吸収スペクトル / 球表面の閉じ込め / 複合粒子のトンネル効果 |
Research Abstract |
1)球形量子ドット中の励起子の励起状態と外部摂動に対する応答 前年度に完成した量子ドット中の2体問題の解の完全系を求める定式化を用いて、球形の量子ドットに閉じ込められた電子・正孔対の、様々な外部摂動に対する応答を明らかにした。とくに、一様電場中におけるシュタルク効果や量子ドット外部に置かれた点電荷に対する電子状態の変化と、光学応答を計算した。その結果、量子ドット表面に点電荷が存在するとき、電子状態に対する影響(レッドシフトなど)は、中間閉じ込め領域で最大になることを見い出した。これはCuCl量子ドットなどで観測されているホールバーニングの解析に重要である。交換相互作用の効果を取り入れて、励起子の縦横分裂のサイズ依存性を内部自由度まで考慮して明確にした。 また、2光子吸収スペクトルと過渡吸収スペクトルの計算を行い、ともに2光子過程でありながら、スペクトル形状が大きく異なるという実験の傾向をうまく説明できることを見い出した。 2)球表面に拘束された励起子の電子状態 コートされた量子ドットや、フラーレン類を念頭に置いて、球表面に拘束された電子・正孔対(励起子)の電子状態を明らかにした。このためにも、Hylleraas座標による運動方程式の簡約化と、相関基底による展開の手法が有効である。高い角運動量状態まで固有状態を計算し、ドット半径の変化につれて、個別運動から2次元励起子まで状態の変化が起こる様を明らかにした。また、一様外部磁場中での電子状態の変貌を、数値的厳密計算により明らかにした。 3)2粒子結合系の量子トンネル効果 ヘテロバリアを透過する励起子などを想定して、バネで繋がれた2粒子のモデルにより、複合粒子の量子トンネル効果を調べた。Recursive Green関数の方法により透過反射確立を計算し、単一バリアであっても、共鳴トンネリングが生じうること、内部励起を伴う透過や、内部励起状態への共鳴効果などが見られることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Uozumi and Y.Kayanuma: "Higher Excited Electron-Hole Pair States in Quantum Dots and Related Second Order Optical Processes"J.Luminescence. 87-89. 375-377 (2000)
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[Publications] Y.Kayanuma: "Hydrogenic Impurity States at a Semiconductor Edge"Phys.Rev.B. 62・23. 15234-15336 (2000)
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[Publications] T.Uozumi and Y.Kayanuma: "Theory of Optical Responses of Spherical Quantum Dots under Static and Dynamical External Fields"Proc.Int.Conf.Excitonic Processes in Condensed Matter. (To be published.).