1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640412
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松島 政貴 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20242266)
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Keywords | 地球磁場生成機構 / 非等方的乱流 / 乱流輸送 |
Research Abstract |
地球流体核内の分子拡散率は非常に小さいので,大規模な場は小規模な流れによって輸送されていると考えられている.このように輸送という役割を担っている核内の乱流は,地球の回転,重力,そして磁場の影響により非等方的になっている.しかしながら非等方性の影響はまだ理解されていない.本研究の目的は,極めて大規模な数値計算を行うことによって,流体核内で生じている乱流輸送の非等方性を調べ,渦拡散テンソルを見積もり,大規模な磁場や速度場を扱う計算に渦拡散テンソルを採用し,磁場生成メカニズムに対する非等方的乱流輸送の影響を明らかにすることである.今年度は非等方的な乱流輸送をパラメータ化するための基礎的な直接数値計算を行った.小さなスケールの磁場および速度場を取り扱うために,流体核内の小さな領域に対して周期境界条件を適用する.そして,局所的なデカルト座標系のもとでMHD乱流の数値計算を行った.これまでの研究で,乱流輸送は回転・磁場・重力の方向によって選択的な方向を取ることがわかった.また,さまざまな無次元パラメータ,磁場の方向,そして重力の方向に対する数値計算を行い,渦拡散テンソルのパラメータ化を試みた.乱流モデルをパラメータ化する方法にはいくつかあるが,本研究では2次モーメント量を用いて乱流熱流束を表現した.直接数値計算による乱流熱流束と2次モーメント量を用いたモデルによる乱流熱流束を比較すると,時間変動などはうまく表現されていることがわかった.しかし,方向および大きさについて,さらに改善の余地がある.今後はモデルを改善するとともに,境界の影響を取り入れ,電磁流体実験の結果と数値計算の結果とを比較することを試みる.
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