1999 Fiscal Year Annual Research Report
両生類および魚類における脳内概日時計の所在とその機能の解析
Project/Area Number |
11640686
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
千葉 篤彦 上智大学, 理工学部, 助教授 (40207288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯郷 雅之 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10232109)
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Keywords | 概日時計 / メラトニン受容体 / 視床下部 / オートラジオグラフィー / 位相反応曲線 / 松果体 / 眼 / イモリ |
Research Abstract |
1.両生類における脳内概日時計の所在を検討するひとつの方法として、日本産イモリの脳内メラトニン受容体の分布をin vitroオートラジオグラフィーにより調べた。その結果、イモリではほ乳類に比べ広範囲に分布しており、特に視床下部と視蓋に高密度に存在することが分かった。今後、さらに解像度を上げるとともに、現在進行中の免役組織学的実験など他の実験によるデータとあわせて、視床下部内にあると思われる生物時計の所在について詳細に検討する必要がある。 2.これまで日本産イモリにおいてはメラトニンの生産部位と血中メラトニンの日内変動との関係について詳細に調べられていなかった。そこで眼球摘出、松果体摘出、及びその両方を摘出したイモリについて昼夜の血中メラトニン濃度を調べた結果、いずれの群においても夜間のメラトニンレベルと昼間のそれとの間に有意差が無くなった。したがって上記1.のデータとあわせ、イモリにおいては眼、及び松果体が共に夜間の血中メラトニンレベルの上昇に寄与し、それにより視床下部にある脳内生物時計を調節している可能性が示唆された。 3.ほ乳類の生物時計である視交叉上核では、概日リズムに位相変位を起こさせるような主観的時刻に光パルスを与えると、c-fos遺伝子が発現してcFOSタンパクが誘導されることが知られている。このことをイモリの視床下部において調べるための前段階として、行動リズムを指標にして位相反応曲線を作成した。その結果CT21において最も大きな位相の前進、CT15において最も大きな位相の後退があることが分かった。この結果をもとに、現在光パルスによるcFOSタンパクの出現の有無を検討している。
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