2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650049
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
新部 正人 姫路工業大学, 高度産業化学技術研究所, 助教授 (10271199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 健夫 姫路工業大学, 高度産業化学技術研究所, 助教授 (70285336)
木下 博雄 姫路工業大学, 高度産業化学技術研究所, 教授 (50285334)
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Keywords | 軟X線 / 光学素子 / 非球面 / 薄膜 / 多層膜 / リソグラフィ / 点回折干渉法 / 波面収差 |
Research Abstract |
本研究は薄膜の堆積法を用いた新規の非球面形状創製法を提案し、実際に非球面形状を設計・作製・評価することにより、その実用化への問題点を明らかにしていくことを目的としている。平成12年度の研究報告で述べたように、12年度より研究環境が大きく変化した。姫路工業大学付置の放射光実験施設ニュースバルが本格稼働し、特にアンジュレータ光を用いた軟X線干渉計測法を利用できるようになった。非球面形状の創製には作製法とともに、非球面の形状計測法の高精度化が必須である。本研究では12年度に引きつづき、軟X線を用いた点回折干渉計測法の基礎検討を行った。 点回折干渉(PDI)法は、小さなピンホールを透過した光が理想的な球面波となることを利用し、これとテスト光学系(光学素子)を通り、収差を含んだ波面を干渉させることにより、光学素子の形状等を計測する方法である。フィゾー干渉計など、従来の可視光干渉計測法のような加工精度が不十分な参照球面用いないため、軟X線領域で用いる非球面の形状を高い精度で評価できる。 本研究ではシュワルツシルト光学系の非球面化にあたり、まず軟X線PDI法でどの程度の計測精度が得られるかを検討するため、球面のシュワルツシルト光学系を準備した。マグネトロンスパッタリング法で波長13.1nmの直入射に対応した、多層反射膜をコートした10:1縮小光学系で、PDI法の基礎検討を行った。実験では軟X線によるPDI干渉縞を観測することができ、またその解析から、テスト光学系全面にわたる波面収差マップを得ることができた。その測定精度は0.1nm以下であり、極紫外光リソグラフィー(EUVL)用の光学系の評価に十分対応できることが分かった。一方、信頼性のあるPDI干渉縞を得るためには、光学系を事前に3nm(rms)以下の高い精度でアライメントしておく必要があること、散乱によるフレアを最小限にするように、長周期のうねり成分を含めた非球面基板の高精度加工が必要であることが分かった。 軟X線によるPDI計測の結果、基板に多層膜を堆積すると、可視光による計測では見られない数mmオーダーの不均一な凹凸が発生しているように見られた。これについては再現性の実験がまだ不十分であるが、今後薄膜堆積と表面形状変化の再現性評価をくり返すとともに、堆積する薄膜の内部応力との関係を明らかにしていく研究が必要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Gomei, K.Sugisaki, Y.Zhu, M.Niibe, T.Watanabe, H.Kinoshita: "Current Status of ASET-HIT EUV phase-shifting point diffraction interferometer"Proc. SPIE. 4506. 39-45 (2001)
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[Publications] Y.Gomei, K.Sugisaki, Y.Zhu, M.Niibe: "Proposal of at-wavelength PDI for EUVL optics alignment by using a compact undulator"Proc. Micro and Nano-Engineering 2001, Presented on Sep. 17, 2001, Grenoble, France. (2001)
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[Publications] S.Hashimoto, M.Niibe et al.: "Present Status of Synchrotron Radiation Facility "NewSUBARU"Trans. Materials Res. Soc. Jpn. 26. 783-786 (2001)
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[Publications] S.Hashimoto, M.Niibe et al.: "First operation of 11 m long undulator at NewSUBARU"Nucl. Instr. & Meth. A. 467-468. 141-144 (2001)
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[Publications] 木下博雄, 渡邊健夫, 新部正人: "極端紫外線露光技術"応用物理. 71. 190-194 (2002)
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[Publications] M.Niibe, H.Nii, Y.Sugie: "Stress Changes and Stability of Sputter-Deposited Mo/B4C Multilayer Films for Extreme Ultraviolet Mirrors"Jpn. J. Appl. Phys.. 41(5)(掲載決定). (2002)