2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650100
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
辻 裕一 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (10163841)
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Keywords | マイクロマシン / マイクロメカニズム / 微小材料 / 疲労 / 疲労試験 / シリコン単結晶 / 異方性エッチング |
Research Abstract |
開発が進められているマイクロマシンの可動機構には,弾性ヒンジ等の弾性変形を利用した構造が多用されている.このような微小構造では製造過程で生じる切り欠き部,段差等の応力集中部が存在する.微小材料・構造では一般的なバルク材料と著しく異なる特性が予想され,また,微小機構では1サイクルの運動量が小さいため,通常の機械部品と比べ非常に大きな繰返し数・速度負荷が要求される. 本研究では,微小材料・構造の疲労現象の解明,信頼性向上に寄与することを目指し,応力集中部を持つ試験片に対し,静的強度・疲労強度の評価を行う.以下に本研究で得られた成果を箇条書きで示す. 1.開発した微小材料疲労試験機の動作確認を行い,微小材料の四点曲げ疲労試験が可能であることを確認した.試験片の変形計測でのコンピュータ画像処理による変位計測アルゴリズムを改善した. 2.試験片に与えられる最大変位と最大繰返し速度の関係をエネルギー法により求めた.疲労試験は変位制御で行うが,理論値上限の約半分の繰返し速度が試験条件として適切であることを示した 3.単結晶Siに異方性エッチングを利用してV溝切欠きの導入を行った.SEM観察により,(111)結晶面が露出すること,切欠き底半径はサブミクロンオーダの十分な鋭さを持っていることが確認できた. 4.静的強度に関して,切欠きをき裂と見なすことにより破壊靭性により強度評価が可能なことを示した.ただし,切欠深さが小さい場合,破壊靭性による推定は適用できず静的強度は増加する傾向がある. 5.疲労強度に関して,疲労試験を10^6回まで実施し,試験片側面から切り欠き底近傍の変化を観察した.今回の試験条件では,疲労現象は認められない結果となった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 日野宗明,石川洋祐,辻裕一: "切欠き付きシリコン微小試験片の曲げ強度の評価"日本機械学会関東支部ブロック合同講演会講演論文集. No.000-2. 233-234 (2000)
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[Publications] 日野宗明,小森克敏,辻裕一: "微小材料の強度評価用V溝切欠き試験片の製作"日本機械学会材料力学部門講演会講演論文集. No.99-16. 61-62 (1999)