1999 Fiscal Year Annual Research Report
パッシブな自然エネルギー利用伝統的技術の考察とその今日的応用
Project/Area Number |
11650223
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢田 順三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60026036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 正倫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60027810)
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Keywords | 自然エネルギー / エネルギーのパッシブ利用 / 伝統的技術 / 伝統的家屋 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の研究の第1年目にあたるので、主として、自然エネルギーのパッシブ利用伝統的技術の状況を、次の歴史的または伝統的家屋について実地調査した。すなわち、(1)竪穴式住居-復元-(横浜市三殿台遺跡考古館)。(2)アイヌ茅葺きチセ-復元-(北海道白老町アイヌ民族博物館内)。(3)茅葺き集落(京都府美山町)。(4)茅葺き民家(高山市飛騨民族村内)(5)茅葺き集落(岐阜県白川村および富山県五箇山)。(6)各種伝統的民家(川崎市立日本民家園)。(7)石造り民家(トウッリ)(イタリア南部地方アルベロベッロ)。 伝統的家屋は、ほとんどその地域で産出される再生可能な材料で建設されて来たことが大きな特徴であるが、人口増加、産業構造や生活スタイルの変化によって、今後そのままの様式で維持していくことは不可能となっている(文化遺産としての保存は除く)。しかし、21世紀以降の持続可能な社会におけるエネルギー利用技術のあるべき姿は、伝統的家屋の自然エネルギー利用技術のなかに見出されるものと期待される。今後、このエネルギー利用技術の分析並びに歴史的考察を通じて、今後の技術のあるべき姿を明らかにしていく。 歴史的または伝統的家屋における自然エネルギー利用状況を再現するための第一歩として、1部屋だけの最も単純な家屋モデルについて、標準的な外気条件の下で、屋根、壁等の材質・厚みなど任意の条件下で、室内の平均温度の時間的変化が計算可能なシミュレーション用プログラムを開発した。
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