1999 Fiscal Year Annual Research Report
音声分析・合成方式に基づく複合補聴処理とその装置化に関する研究
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11650388
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
上田 裕市 熊本大学, 工学部, 助教授 (00141961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 隆 久留米工業高等専門学校, 助教授 (80222884)
渡邊 亮 熊本大学, 工学部, 教授 (50040382)
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Keywords | 補聴器 / ケプストラム分析 / 感音声難聴 / 音声合成 / 話速変換 |
Research Abstract |
音声分析・合成モデルに基づく複合補聴処理のソフトウエアの開発を行った。本方式は、従来、単独で行われてきた様々な補聴処理を音声分野での研究成果をベースとして、一連の処理ルーチンの中で選択的あるいは同時に処理可能な新たな補聴処理である。本年度は、主としてピッチ変換に伴う自然性改善のための高域スペクトルの周波数軸伸縮処理及び話速変換処理について計算機シミュレーションと聴取実験により、その効果の確認を行った。結果として、自然性を損なわない範囲での声質変換補聴処理のために必要な周波数軸伸縮(低域での線形伸縮、高域での非線形伸縮)係数をピッチ変換係数の関数として定めることが可能となった。更に、話速変換においては、時間軸において大局的及び局所的変換を自由に設定できるアルゴリズムを見出すことができた。実用的には、この話速を制御する音声特徴の抽出・判別が残された課題である。一方、他の補聴処理、即ちスペクトル強調とスペクトルレベル圧縮を含めた補聴処理の複合化も効率良く処理できるようなソフトウェアの開発を行った。本手法は、音声ケプストラム分析を基盤として用いていることから、安定なピッチ抽出と有声・無性・無音の判別アルゴリズムの可否が、再合成補聴音声の品質を左右する問題であり、この点については、更に計算機シミュレーションにてその精度の検討を行っていく必要がある。今後の課題としては、DSPを用いた実時間処理向けのアルゴリズムの簡素化とハードウエアの開発を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 上田裕市: "スプライン補間周波数特性を有する合成FIRフィルタの設計"電子情報通信学会論文誌A. Vol.J82-A-No.4. 591-595 (1999)
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[Publications] 上田裕市: "声質変換補聴音声における部分非線形周波数軸伸縮の効果"日本音響学会秋季研究発表会論文集. 363-364 (1999)
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[Publications] 西村淳: "高域スペクトルの非線形伸縮による複合補聴音声の質的変化"電気関係学会九州支部連合大会予稿集. 598-598 (1999)
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[Publications] 上田裕市: "ケプストラム領域での選択的同時処理に基づく複合補聴処理の検討"日本音響学会春季研究発表会論文集. 365-366 (1999)