1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650554
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東海 明宏 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90207522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 一英 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70292050)
古市 徹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127134)
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Keywords | 循環 / 都市代謝システム / リスク |
Research Abstract |
本年度における検討課題は、次の2項目、すなわち第1に、都市代謝系のシステムモデルを構築、そして第2に、都市代謝系のリスクの統一指標を開発することであった。 第1の課題に関しては、需要側の構造を重視したモデルへの改良を意識して、特に有機系廃棄物のリサイクル製品の需要動向を札幌市の農家を対象におこなった。 得られた結果の要点は次の通りである。 (1)農業三法の整備による農業環境規制の強化、高齢化のもとで今後の札幌市の農業構造は変革期を迎えている。こままの傾向が継続すると仮定すれば、農業就業人口は減少の一途をたどり、コンポスト等の受入先としての需要は減少する方向にある。 (2)市民の有機農産物への需要増に対応し、土壌に有機質を還元したいという意向は半数以上の農家が感じており、システム化の必要性を改めて確認できた。 (3)札幌市が現在、リサイクルの制度として実施している(平成10年度開始)耕畜連携事業によって、札幌市で排出される畜産糞尿の約5%が耕種農家へ還元されており、シナリオを構築し,この制度のLCAからみた評価を行った。その結果、条件設定等、細部の詰めを残しているが、傾向としてCO_2削減の効果は期待できないが、窒素の削減は可能であることが示された。この理由は、コンポスト製造過程におけるCO_2、窒素の生成の促進作用にある。したがって、コンポスト化の仮定でこれらの成分を適切に回収・固定化できれば耕畜連携事業の効果はさらに向上することが期待できる。 第2の課題に関しては、文献調査を主体とした予備的検討とした。本格的検討は次年度とするが、リスク指標の分類枠組みの調査を行い、結果の1部を環境工学連合講演会にて発表した。
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