1999 Fiscal Year Annual Research Report
空力制御装置とPOD解析を用いた隣接建物群の風荷重評価に関する研究
Project/Area Number |
11650596
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
菅沼 信也 東京工芸大学, 工学部, 講師 (80267533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 幸雄 東京工芸大学, 工学部, 教授 (70163699)
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Keywords | 風荷重 / 建物群 / 後流振動 / 空力振動制御 / 交番渦 / 相互干渉 |
Research Abstract |
本研究では、周辺建物の影響を考慮して正確な風荷重評価を行うために、正方形断面建物3棟までの組合せについて風洞実験を行って建物に作用する壁面風圧や風力を測定する計画であるが、その初年度として本年度は正方形断面建物2棟間の相互干渉について網羅的に実験を行った。建物の代表幅Bと高さHの比であるアスペクト比は連立する高層建物を想定して2棟共に6.0を採用し、2棟の隣棟間隔は風方向について2B〜5B、また風直角方向については0B〜3Bの範囲で独立に可変とした。中低層建物が比較的密に建ち並ぶような地表面粗度を再現して風洞内に境界層乱流を再現し、架台に既存の5分力天秤を設置して風下側の建物に作用する変動風力を計測した。得られた風力の統計量およびスペクトル解析結果を基に風力発生機構の種類を大別した結果、2棟の相互作用がまったく見られない場合と典型的な後流振動が発生している場合のほかに、以下のような特別な現象を示す配置のあることが判明した。 1. 風下側建物が風上側建物の直後に配置された場合、風上側建物から発生する交番渦の影響がまったく見られない領域がある。これは2次元一様流中で行った既往の実験結果とも一致している。 2. 風下側建物が風上側建物の斜め後方に配置された場合、交番渦による風力が風直角方向のみならず風方向にも見られる領域が存在する。これは風上側建物から剥離したせん断層の経路を風下側建物が妨げることによるものと思われる。 このような配置領域が確認されたので、複合的な現象から各要因を分離して風荷重発生機構を把握するために空力制御装置を併用した流れ場の分析を今後早急に行う計画である。
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