1999 Fiscal Year Annual Research Report
建物-地盤系の微動特性に基づく愛知県東部地震での建物内震度に関する研究
Project/Area Number |
11650604
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
今岡 克也 豊田工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (20193667)
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Keywords | 愛知県東部地震 / 微動計測 / 表層地盤 / 高層建物 / H / Vスペクトル / 和歌山県中部地震 / 卓越周期 / 増幅倍率 |
Research Abstract |
本研究は,1997年3月16日愛知県東部地震(M=5.8)の際に調査したアンケート震度の中から,高層建物内に居た人の震度に着目して,建物-地盤系の微動測定に基づいて,建物の揺れ易さを評価するものである。 今年度は1年目として,主に地震波形と微動波形との関係を明確にする目的で,1999年8月21日和歌山県中部地震(M=5.5)で震度4〜5の地震波形が多く取られた三重県内の地震計設置地点で微動測定を実施し,多くの知見を得ることができた。さらに,高層建物でのアンケート震度が多く得られた愛知県豊田市で微動測定を高密度で実施して,地盤の卓越周期の分布図を作成することができた。また,過去の建物-地盤系の微動測定の結果から豊田市内の高層建物を,(1)建物の固有周期が地盤より長い場合,(2)建物と地盤の固有周期が近接している場合,(3)建物の固有周期が地盤より短い場合,の3種類に分類して,それぞれ1棟を選び出して微動測定を実施し,アンケート震度と比較した。以下に,今年度の研究実績をまとめる。なお,来年度も引き続き,建物-地盤系の微動測定を実施するつもりである。 1.科学技術庁・気象庁・消防庁が三重県内に地震計を設置した約80地点に出向いて微動測定を行った。そして,微動波形を和歌山県中部地震の際に得られた地震動波形と比較して,あと揺れ部分に微動の影響が強く現れることを確かめた。また,微動の「卓越周期が長い地点」や「水平動が上下動よりも振幅が大きい地点」では,震源距離による震度の減衰が少ないことが判明した。 2.愛知県東部地震で高層建物の上層に居た人からアンケート震度が得られた建物の中から前述の3棟を選び,建物-地盤系の微動測定を実施して,「建物と地盤の固有周期が近接している場合には建物内のアンケート震度が大きくなる」ことが判明した。
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Research Products
(2 results)