1999 Fiscal Year Annual Research Report
延焼危険を考慮した安全街区計画支援システムに関する研究
Project/Area Number |
11650644
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
高井 宏行 近畿大学, 工学部, 教授 (30125124)
|
Keywords | 延焼 / シミュレーションモデル / GIS / 評価 |
Research Abstract |
平成11年度は、街区の延焼危険度評価のための延焼シミュレーションモデルの構築と、そのモデルを実際の街区に適用するシステムの構築までを行った。本モデルは従来の延焼速度に基づくモデルとは異なり、建物1棟1棟に着目し、出火、燃焼、伝播、着火過程をモデル化し、さらに、消防力の効果等を考慮し、延焼を時系列にシミュレ一トできるものである。したがって、対象地域の実際の建物配置、施設の特性や、地震による建物の倒壊等の影響及び消火活動による延焼阻止効果を反映することが可能なモデルである。本モデルは、今回の地震による大規模火災の実態にもとづくものであり、出火、燃焼、伝播、着火の各過程において、取り込むべき要因、モデル化の方法、パラメータの調整を検証対象地区の延焼動態とシミュレーション結果を比較しながら構築している。基礎データは、気象関係、建物配置、建物面積、構造等の建物属性、防火施設配置等であるが、ソースデータの様式、媒体が地図、紙のリスト、電子媒体等多様であるため、GISを活用し、基礎データの作成を支援できるるシステムとして構築した。さらに、本モデルを実際の街区に適用し、火災発生・延焼危険度の推定やその延焼被害結果を視覚的に表示させようとするものである。また、各種パラメータを変化させることにより、多岐にわたるシミュレーションが可能となり、街区の危険度等が多方面から把握できるものである。とくに、今年度は、実際の一つの丁目を単位(一街区 約1ha)とした延焼危険度評価の試行を行つた。その結果、各地区の特性に見合った延焼傾向がみられ、ほぼ適用可能であるシステム構築が行われたものと確信している。
|