2000 Fiscal Year Annual Research Report
延焼危険を考慮した安全街区計画支援システムに関する研究
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11650644
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
高井 広行 近畿大学, 工学部, 教授 (30125124)
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Keywords | 延焼 / シミュレーション / GIS / 危険度評価 |
Research Abstract |
1995年1月17日の兵庫県南部地震によって神戸市は、多大な被害を出す大惨事となった。死亡者数も6000人を超え、そのうち、火災現場での死者が500人を超えた。また、建物だけでなく人的被害も想像を遥かに越えるものであった。そこで、1999年以前に被災地である神戸市に残された火災に関するデータや記録をもとに、その動態について検証してきた。その結果を活用し、火災に強いまちづくりのための「延焼シミュレーションシステム」を開発した。このシステムは、建物1棟ごとを取り扱うミクロなモデルとなっている。このモデルを利用する際、特定の出火点から延焼することを仮定して、各地区ごとの危険度評価を算出する事は可能であるが、一般的な評価にはなっていなかった。そこでこの延焼シミュレーションシステムに街区の危険度評価システムを付加することを試みた。このシステムは従来の特定火点からの出火を想定するのではなくランダムに出火点を与え、その結果を統計的に処理し、その街区の延焼危険度を算定するものである。また、本システムで用いた基本的な家屋データは平成4年の課税台帳から、また今回のモデルは平成10年の課税台帳からシステム用にデータ変換した。よって本システムにより震災前後の両状況について、延焼シミュレーションを実行させ、その結果が得られるシステムとした。今回それを利用し、長田南部地区、長田東部地区、原田・岩屋地区、東垂水地区、西出・東出・東川崎地区、宮本・吾妻地区の7地区を対象に実際の延焼危険度評価を行った。これらの7地区の、新規延焼シミュレーションを使用して延焼させた結果を、各地区の100出火点ごとに経過時間(分)、焼損延焼面積、焼損棟数をファイル化し、さらに平均焼損延床面積、平均焼損建物棟数、平均延焼時間、平均焼損延べ床面積、平均焼損建物棟数、平均延焼時間、総面積、総棟数を計算し評価指標として求めた。
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