1999 Fiscal Year Annual Research Report
中性子照射した金属中の点欠陥集合体の高温での動的挙動の電子顕微鏡観察による研究
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11650683
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
向田 一郎 広島大学, 工学部, 助手 (70209980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 義治 広島大学, 工学部, 教授 (40033831)
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Keywords | 照射損傷 / ボイド / 点欠陥集合体 / 転位構造 / 透過型電子顕微鏡 / その場観察 |
Research Abstract |
JMTR温度制御中性子照射を用いて10^<-2>〜10^<-1>dpaの照射量の範囲で詳細な実験が行われた。本研究では、さらに損傷欠陥形成の初期過程を調べるために、より低照射量(10^<-4>〜10^<-3>dpa)の温度制御中性子照射を京大原子炉で行い、その結果より純銅中の損傷欠陥形成過程を調べることを目的とする。試料は公称純度99.9999%の純銅を用いた。また、残留ガスの効果を調べるために超高真空中で熔解することによりガス除去を行った試料を同時に照射した。温度制御中性子照射は京大原子炉水圧輸送照射管において300℃にて行った。試料は放射線冷却の後、電解研磨を行い透過電子顕微鏡試料とした。鈍銅においては、電子顕微鏡観察の結果、転位周辺の格子間原子集合体の集合、微小なボイドおよび積層欠陥四面体(SFT)が観察された。照射量の増加に伴ってボイド・SFTの数密度は減少した。この数密度は未処理試料と残留ガス除去試料での差はない。また、ボイド・SFT共に照射量の増加にしたがって成長するがボイドの成長はSFTに比べて著しく大きかった。これらの結果より中性子照射中にボイドが移動して合体することにより成長すると考え、照射試料の焼鈍実験を行った。焼鈍は250℃において10,20,30分と時間を段階的に変化させて昇温した後、室温まで冷却して観察を行った。その結果、直径3nm程度のボイドは250℃で移動することがわかった。合計37個のボイドを観測し、その内8個のボイドが移動した。最大で23.9nm移動していた。また、移動方向はfccの[110]方向に近い方位に移動していた。さらに300℃におけるボイドのその場観察を行った結果、移動する時に前駆現象として構造の変化が観察された。JMTR温度制御中性子照射の結果では、300℃照射ではボイド・SFTは照射量の増加と共に数密度の現象、サイズの増大がみられた。さらに本研究によって、より低照射量の領域でもこの傾向があることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] I.Mukouda: "Damage Evolution in Neutron-irradiated Cu during Neutron Irradiation"J.Mucl.Mater.. 271&272. 230-235 (1999)
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[Publications] Y.Shimomura: "Computer simulation on the void formation in neutron-irradiated Cu and Ni at high temperature"J.Mucl.Mater.. 271&272. 225-229 (1999)
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[Publications] Y.Shimomura: "Atomistic processes of damage evolution in neutron-irradiated Cu and Ni at high temperature"Radiation Effects and Defect in Solids. 148. 127-159 (1999)
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[Publications] I.Mukouda: "Formation of voids in pure copper and Fe-Cr-Ni alloys irradiated by simultaneous multi-ion beam of hydrogen helium and Ni ions"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. 540. 549-554 (1999)
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[Publications] Y.Shimomura: "Void formation in neutron- and ion-irradiated copper and nickel"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. 540. 527-532 (1999)