2000 Fiscal Year Annual Research Report
高温用スーパーコンポジットの創製とメゾスケール組織制御による高強度化に関する研究
Project/Area Number |
11650709
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Research Institution | University of Tokushima |
Principal Investigator |
高木 均 徳島大学, 工学研究科, 助教授 (20171423)
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Keywords | 耐熱材料 / 複合材料 / スーパーコンポジット / 組織制御 / MMC / メゾスケール / in-situ / 繊維強化 |
Research Abstract |
多目的一方向凝固装置を使用してNi-Al-Mo系共晶合金の溶解・金型鋳造を行った後,一方向凝固を行うことにより,γ/γ'母相中にモリブデン繊維が凝固方向と平行に配列したスーパーコンポジット(高融点金属繊維強化in-situ複合材料)を作製した.その際,凝固速度変化および第4元素添加等の組織制御を行い,強化相間隔,強化相の形態,セルの大きさなどのメゾスコピックな組織因子を制御を行った.またさらに,溶体化処理,時効処理を施しナノスケールの組織制御も併せて行った.溶体化処理と時効処理によって,Ni母相(γ相)中に金属間化合物Ni_3Al(γ'相)をナノメーターオーダーに微細分散させることが可能になることを示した.このように組織制御したスーパーコンポジット材に対する高温引張試験を行い,高温強度および高温延性を評価した.その結果,試作した材料は800℃で最高1198MPaの高温引張強さを発現し,CMSX-2,Mar-M247などの商用Ni基超合金と同等の強度を有することを示した.凝固条件を調整して強化相の形態を繊維状から板状(ラメラー)に変化させると,高温強度は僅かに低下するがほぼ同等の強度を有することを示した.高温酸化実験の結果,本研究のスーパーコンポジット材は商用Ni基超合金IN-100よりも優れた耐酸化性を有することを示した.また,レニウムとイリジウムを添加することよってこの耐酸化性はさらに改善されること,ならびにIN-100と比較してイリジウム添加材の質量減少率は約1/2に大きく改善されることを示した.
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[Publications] 高木均: "スーパーコンポジットの高温強度特性"日本材料学会第49期学術講演会講演論文集. 237-238 (2000)
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[Publications] 高木均: "スーパーコンポジットの組織制御"日本機械学会2000年度年次大会講演論文集. Vol.1 No.00-1. 555-556 (2000)
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[Publications] Mahadzir Ishak: "スーパーコンポジットのナノ析出による強化"日本材料学会第30回FRPシンポジウム講演論文集. 243-244 (2001)