1999 Fiscal Year Annual Research Report
オゾンガスによるシリコンおよびシリコン基セラミックスの酸化機構解明
Project/Area Number |
11650730
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成島 尚之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20198394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 泰孝 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (90005413)
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Keywords | オゾン / 酸化 / シリコン / 炭化ケイ素 / シリカ / 放物線則 / 速度論 / 律速段階 |
Research Abstract |
目的: シリコンデバイスの高集積化に伴うシリカ酸化皮膜形成方法の有力な手法であるオゾンガスによるシリコン基材料の酸化に関する基礎研究を目的として研究を行った。 実験方法: 酸化実験用試料には、n型シリコンウエハ、CVD炭化ケイ素および単結晶6H炭化ケイ素を用いた。オゾンガスの発生は放電式オゾナイザを用い、最大0.07のオゾン分圧を達成することができる。酸化温度は973〜1073Kとした。酸化速度の評価は形成された酸化皮膜厚さをエリプソメータを用いて測定することにより行った。 結果: シリコン、炭化ケイ素いずれにおいても全実験条件下で純酸素中酸化と比較して数倍から数十倍の酸化皮膜厚さがオゾンガス含有雰囲気酸化において観察され、オゾンガスの酸化促進機能が確認された。特に、試料加熱方式を工夫し、試料のみの局部過熱炉を採用した場合に促進が顕著で、純酸素中酸化と比較して100倍以上の酸化皮膜厚さが得られた。この原因は、試料表面導入前のオゾンガスの分解を抑制することによるものと考察した。オゾンガス酸化による造膜反応は放物線則により説明することが可能で、シリカ皮膜中を通るOラジカルの拡散が律速段階と考えられた。また、局部加熱方式ではシリコンと炭化ケイ素の酸化速度に関する特異な現象が観察された。すなわち、シリコンよりも大きい炭化ケイ素の酸化速度が観察された。これは従来の純酸素酸化では報告されていない現象で、炭化ケイ素上に形成された皮膜のSIMS分析より酸化皮膜中に炭素の存在が確認されたことから、この特異現象が炭素がOラジカルの拡散を容易にするまたはオゾン分解を抑制するためと考え、その検証を行っている。
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