1999 Fiscal Year Annual Research Report
噴霧熱分解法によるリチウム複合酸化物微粒子の組成および形態の制御
Project/Area Number |
11650774
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 泉 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 助教授 (00217126)
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Keywords | 噴霧熱分解法 / リチウムマンガン複合酸化物 / リチウムイオン二次電池 / 粒子形態制御 |
Research Abstract |
本研究は、次世代のリチウムイオン二次電池正極材料として最近特に注目されているマンガン酸リチウム(LiMn_2O_4)を例にとり、噴霧熱分解法による微粒子の組成および形態の制御法を確立することを最終目的とし、まず、温度分布を任意に設定できる6段の電気炉を用いてマンガン酸リチウム微粒子の製造実験を行った。実験は、原料として硝酸リチウムと酢酸マンガンを用いて、ガス流量、原料溶液の初期濃度および反応炉の軸方向温度分布を変化させて行った。 反応炉の温度を800℃均一に設定した場合、得られた微粒子の形態は収縮したものや、破裂したもの、中空の球状になったものなど様々であった。これに対して、軸方向に入口から200℃-200℃-400℃-600℃-800℃-800℃のごとく温度を設定した場合、得られる粒子は総て収縮した形態を示した。この傾向は、ガス流量を変化させても同様であった。しかしながら、粒子の結晶性はガス流量が減少するに伴い良くなり、X線回折ピークからも求められる結晶サイズは、ガス流量が減少するに伴い増加した。また、比表面積はガス流量が小さくなるに伴い減少するが、ガス流量に関わらず反応炉温度分布を800℃に設定した場合より軸方向に温度分布(200℃-200℃-400℃-600℃-800℃-800℃)を設定して合成した微粒子の方が大きくなった。粒子の組成に関しては、原料の硝酸リチウムと酢酸マンガンを1:2に混合した場合、得られる粒子のリチウムとマンガンのモル比は、1:2となった。以上の結果から、噴霧熱分解法によるリチウムマンガン複合酸化物微粒子の組成および形態の制御が可能であることを明らかにした。
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