1999 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト触媒膜を用いる反応・分離と高度分離プロセスの構築
Project/Area Number |
11650799
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 隆夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20165715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 紳 京都大学, 工学研究科, 助手 (70243045)
河瀬 元明 京都大学, 工学研究科, 助手 (60231271)
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Keywords | ゼオライト膜 / 水素分離膜 / 細孔径制御法 / シラン接触分解法 / 高度分離膜 / 触媒膜 |
Research Abstract |
ゼオライトは結晶性シリカアルミナ固体酸触媒であり、結晶内には低級炭化水素と同程度の大きさの再考を有する。細孔径の大きさはゼオライトの種類に固有であるため、細孔径を制御する方法を開発することでゼオライトの分子篩能が発現する対象となる分子サイズを変化させることができる。そこで、細孔径制御法として全く新しいシラン接触分解法を開発した。本法は、窒素雰囲気下シラン化合物をゼオライト強酸点(触媒としての活性点)上に選択的に化学吸着させた後、高温でそのシラン化合物を揮発性の炭化水素と不揮発性のSi含有物に分解させる。ついで、空気中でSi含有物をSiO_2として安定化させることで、SiO_2付着箇所の細孔径をおよそ0.1nm小さくする。この様に既往の研究で報告されているゼオライト結晶外表面での細孔径制御と異なり、細孔内部での細孔径制御法となる。MFI型ゼオライト粉末を用いてシラン接触分解法の最適化を行った結果、温度100〜300度Cでジメチルエトキシシラン蒸気とゼオライトを接触させ、その後、550度Cに昇温させて吸着シランを分離させる。さらにその温度で空気気流中で焼成することが望ましいことを見いだした。処理したゼオライトはNH3-TPD法により強酸点上に選択的にSiO_2を付着できていることを確認した。さらに、CO_2とベンゼンの吸着等温線を測定したところ、シラン処理によるCO_2の吸着量の減少は非常に小さいが、ベンゼンの吸着量はほぼゼロになった。また、本法をMFI型ゼオライト触媒膜に適用した。そして、処理膜を用いて110度C、H_2-N_2、H_2-CO_2、H_2-O_2の混合ガス(H_2モル分率:20〜80%)からの水素分離実験を流通系で実施した。その結果、何れの系においてもH_2の分離係数がシラン処理前1.5〜2程度であったものが90〜130までに飛躍的に向上した。またベンゼン蒸気は全く透過しなかった。この様にシラン接触分解法は非常に有用な細孔径制御法であり、本法で処理された膜は燃料電池等種々の水素分離を必要とする系に適用の可能性があることが分かった。
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Research Products
(2 results)