2000 Fiscal Year Annual Research Report
化学修飾されたゲル膜の光感応機構とマイクロ素子形成プロセスへの応用
Project/Area Number |
11650866
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
峠 登 近畿大学, 理工学部, 教授 (00081315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 直樹 近畿大学, 理工学部, 講師 (70208388)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / 薄膜 / 化学修飾 / 光感応性 / 微細パターニング / 透明導電膜 / 光触媒 / 分子軌道法 |
Research Abstract |
本研究は,β-ジケトン類で化学修飾された光感応性ゲル膜のマイクロ素子形成への応用と,それに係わる光化学反応過程の解明を目的として行ったものであり,以下のような成果を得た。 1)種々のβ-ジケトンで化学修飾されたAlおよびTiアルコキシドの電子状態を非経験的分子軌道法を用いて計算し,その結果に基づいた遷移確率計算から,実測の光吸収スペクトルとよく一致するスペクトルが求められることを明らかにした。 2)ベンゾイルアセトンで化学修飾したTiO_2ゲル膜の光感応性に対するメタクリル酸の添加効果を検討した結果,キレート環の光分解と同時にメタクリル酸の光重合が起こることにより感度が向上することを明らかにした。さらに分解能も同時に向上し,より微細なパターンが形成できることを見いだした。 3)それぞれの金属塩をβ-ジケトンと反応させることによって,SnO_2,In_2O_3,ZnOなどの透明導電性膜をゾル-ゲル法で作製でき,さらにゲル膜への紫外線照射と酸によるリーチングによってパターニングが可能であることを見いだした。 4)光重合性官能基を有するメタクリロキシトリエトキシシランを加水分解して得られるゾルに光重合開始剤を添加することにより,生成するゲル膜が光感応性を有し,紫外線照射によってパターニングが可能であることを明らかにした。 5)SnO_2膜をコーティングしたガラス基板上にパターニングされたTiO_2膜を形成した新規なバイレイヤー型光触媒を提案し,これらが有害有機ガスの酸化分解およびメタノールからの水素生成に対して高い活性を示すことを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Kintaka,J.Nishii and N.Tohge: "Micropatterning of Photosensitive Gel Films Using the Two Ultraviolet Beam Interference Method"SPIE Proc.Sol-Gel Optics V. 3943. 38-46 (2000)
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[Publications] H.Tada,A.Hattori,Y.Tokihisa,K.Imai,N.Tohge and S.Ito: "A Patterned-TiO_2/SnO_2 Bilayer Type Photocatalyst"J.Phys.Chem.B. 104. 4585-4587 (2000)
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[Publications] N.Tohge,K.Yamada and N.Noma: "Selective Coloration of Photosensitive ZrO_2 Gel Films"J.Ceram.Soc.Jpn. 109(印刷中). (2001)
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[Publications] 峠登(分担執筆): "ゾル-ゲル法による材料開発と応用展開"シーエムシー. 216 (2000)