1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650875
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
小泊 満生 芝浦工業大学, 工学部工業化学科, 教授 (50052824)
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Keywords | 担持試薬 / ワンポット合成 / アルミナ担持臭化銅 / β-カルボニル化合物 / アルミナ担持水酸化ナトリウム / アルミナ担持酢酸アンモニウム / 2-アミノチアゾール / シリカゲル担持チオシアン酸カリウム |
Research Abstract |
申請者らは無機固体担持試薬の特徴を活用したクリーンな新しい合成手法として、種々の担持試薬を用いた多段階の反応を連続してワンポットで行う新しい合成手法の確立を目指している。1)β-ジカルボニル化合物のチオシアナート化:α-チオシアナートβ-ジカルボニル化合物は、まずβ-ジカルボニル化合物にハロゲンを導入し、ついでハロゲンをチオシアナートアニオンで置換する二段階の反応で合成する。担持試薬を用いてこの二段階の反応を連続してワンポットで行うことに成功した。この方法についてさらに検討した結果、β-ケトエステルばかりでなくβ-ジケトンにも本法が適用できることが分かった。2)β-ジカルボニル化合物へのチオラートの導入:β-ジカルボニル化合物にハロゲンを導入し、ついでハロゲンをチオラートアニオンで置換してスルフィドを合成する二段階反応を連続してワンポットで行う方法について検討した。β-ジカルボニル化合物とチオールをアルミナ担持臭化銅(II)とアルミナ担持水酸化ナトリウムを含むベンゼン中に加え、加熱攪拌すると対応するスルフィドが良好な収率で得られた。例えば、2-メチルマロン酸ジエチルとp-トルエンチオールをCuBr_2/Al_2O_3とNaOH/Al_2O_3を懸濁させたベンゼン中に加え、50℃,2時間攪拌すると2-メチル-2-(p-トリルチオ)マロン酸ジエチルが得られた(収率75%)。3)2-アミノチアゾール類のワンポット合成:医薬品合成中間体として有用な2-アミノチアゾール類は一般にチオ尿素誘導体とα-ハロケトンから合成されている。二つの担持試薬(シリカゲル担持チオシアン酸カリウム-アルミナ担持酢酸アンモニウム)を用いα-ブロモケトンからワンポットで2-アミノチアゾール類を高収率で合成した。
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