2000 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙閉鎖環境の酸素供給システムの開発-所要エネルギーの低減へのアプローチ-
Project/Area Number |
11650937
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 公二 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (60002854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸川 清 北海道工業技術研究所, 資源循環化学研究室, 室長
大平 勇一 室蘭工業大学・工学部 (00250522)
空閑 良壽 室蘭工業大学・工学部 (60183307)
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Keywords | 微小重力 / 酸素供給システム / 所要エネルギー / 遠心力 / 撥水性 / 接触角 / 気泡径 / 気液分離 |
Research Abstract |
スピルリナ(藍藻類)の二酸化炭素同化能力を利用した酸素供給システム開発の基礎研究として、μG下において低遠心力を利用するスピルリナ育成環境形成の所要エネルギー低減の可能性を追求する。このため、μG及び1G下における壁面近傍の気泡の挙動を観察した。平成11年度の研究結果は、材料表面の撥水性の適確な評価の重要性と強力な撥水面の創成の必要性を示唆した。また、μG下の気泡の大きさ、発生頻度の制御が課題となった。 1G下実験:撥水性の指標の一つである接触角は、一般的に液滴を用いて測定される。本研究においては気泡を対象としていることから、気泡による接触角の測定を試みた。この測定値を用い、様々な表面の撥水性を評価し、テフロンをはるかにしのぐ撥水面(試作塗料による)を用意出来た。 μG実験:北海道工業技術研究所でのμG実験により、気泡の大きさ、発生頻度の制御方法を確立した。 北海道上砂川の(株)地下無重力実験センターのμG実験(2回)により、中空回転液体層の壁面近傍の気泡の挙動を観察した。μG下で容器の外周部の1ヶの細孔から中空回転液体層へ漏出した空気の挙動は下記3つのパターンに大別された。(1)水中に分散し、壁面に付着しない。(2)水中に分散せず、壁面に気泡状に付着する。(3)水中に分散せず、壁面に薄層帯となり付着する。(1)、(2)、(3)のパターンは容器内面の接触角の測定値の大きさと対応した。上記パターン(3)が実験的に確認されたことにより、本法による所要エネルギー低減の可能性が実証された。今後、実用化に向けた課題として、安定した空気薄層面の創成方法と撥水面の経時劣化が著しいことから、安定で強力な撥水面の創成、開発が挙げられる。
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[Publications] 大平勇一: "Effect of Centrifugal Force on Bubble Break under Microgravity"Proceedings of the 1st Joint China/Japan Chemical Engineering Symposium. 354-359 (2000)
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[Publications] 安藤公二: "宇宙閉鎖環境の酸素供給システムの所要動力低減法"地下無重力実験センター利用研究開発委員会報告会記録書. (印刷中). (2001)