2001 Fiscal Year Annual Research Report
RFLPマーカーを利用したスカシユリの連鎖地図の作成と有用遺伝子のマッピング
Project/Area Number |
11660031
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山岸 真澄 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (40210348)
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Keywords | Asiatic hybrid lily / QTLマッピング / アントシアニン / カルコン合成酵素(CHS) / カロチノイド / ジヒドロフラボノールレダクターゼ(DFR) / スカシユリ / 連鎖地図 |
Research Abstract |
スカシユリ品種の'モントレー'(ピンク花、斑点有り)と'コネチカットキング'(黄花、斑点無し)の交雑に由来するF_1集団96個体を用いて、分子マーカーによる連鎖地図を作成した。その結果'モントレー'では95のマーカーからなる26の連鎖群が、'コネチカットキング'では119のマーカーからなる24の連鎖群が得られ、連鎖群の全長はそれぞれ868、1112cMであった。次に連鎖地図作成に用いたF_1集団の各形質を調査して、これらの形質を支配する遺伝子座を連鎖地図上にマッピングした。これまでに花弁のアントシアニン色素の発色と花弁の斑点発生に関わる遺伝子座のマッピングに成功したが、今年度は新たに花弁のカロチノイド色素の発色を制御する遺伝子座をマッピングした。花弁中のカロチノイド含量はF_1集団で連続的に分離したことよりQTL解析を行ったところ、'モントレー'の第6連鎖群上にカロチノイドの発色を抑制する遺伝子座が見つかった。これと平行して、アントシアニンの発色に関わる遺伝子を単離し、発現解析を行った。3種類のCHS、1種類のDFRおよび1種類のMyb遺伝子はそれぞれの器官に特異的な発現パターンを示し、これらの中でDFR遺伝子が花弁のアントシアニン色素の有る無しと最もよく一致した発現パターンを示すことが分かった。また、これらの遺伝子は花弁にアントシアニンを持たない'コネチカットキング'でも正常に機能していたことより、品種間差異の原因にはなっていないと考えた。
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