1999 Fiscal Year Annual Research Report
インプリント遺伝子およびトランスジーンの核内コミュニケーションの解析
Project/Area Number |
11660086
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
奥村 克純 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30177183)
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Keywords | genome imprinting / FISH / intranuclear structure / SNRPN / Igf2r / Chromosome territory / gene silencing / heterochromatin |
Research Abstract |
遺伝子の挙動を核内染色体領域(クロモソームテリトリー)や核内機能構造と共に視覚化し、細胞周期に依存した遺伝子間コミュニケーション、ならびに、これらのダイナミクスを明らかにすることを目的に主に以下の2点を三次元FISH解析によって検討した。 1.ヒトSNRPN(small nuclear ribonucleoprotein polypeptide N)と、近傍領域の15番染色体セントロメアの細胞周期に依存したコミュニケーション、核内配置、クロモソームテリトリーとの関係をヒトHL60細胞で検討した。その結果、HL60細胞ではこの遺伝子の複製タイミングや遺伝子発現のインプリンティングは維持されているものの、細胞周期依存的ホモログ間コミュニケーションが起こらず、インプリント遺伝子のホモログの近接には、複製や発現のコントロール以外の要因が関与することを示した。また、同一染色体上のSNRPNとセントロメアはS期後期に核内の同じ分室にパッケージされることを見出した。この近接は複製後に起こり、同一複製focusで複製されるのではないことを示した。さらに、SNRPNは発現にかかわらずテリトリー周辺部に、セントロメアはテリトリー内部に配置していることを明らかにした。 2.マウスIgf2(insulin-like growth factor 2)のアレル特異的不活性化機構に核内ヘテロクロマチンが関与するか検討した。その結果、一方のアレルがヘテロクロマチンと結合する核が30%程度見られ、発現が抑制される父方アレルが結合する割合が多く、この機構の関与が示唆された。また、この結合割合はS期の進行とともに減少し、複製との関連性も示唆された。しかし、この結合が起こらないパターンも多く観察され、ヘテロクロマチンを介した不活性化機構は、インプリンティングにおいては補助的な役割を果たすと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Naoyuki Fujita: "Methylation-mediated Transcriptional Silencing in Euchromatin by Methyl-CpG Binding Protein MBD1 Isoforms"Molecular and Cellular Biology. 19巻9号. 6415-6426 (1999)
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[Publications] Teijiro Aso: "Structural Organization and Chromosome Location of the Mouse Elongin A Gene (Tceb3)"Cytogenetics Cell Genetics. 86巻3-4号. 259-262 (1999)
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[Publications] Shaoping Xie: "Cloning,Expression,and Chromosome Locations of the Human DNMT3 Gene Family"Gene. 236巻1号. 87-95 (1999)
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[Publications] Masaki Okano: "Assignment of cytosine-5 DNA methyltransferases Dnmt3a and Dnmt3b to mouse chromosome bands 12A2-A3 and 2H1 by in situ hybridization"Cytogenetics Cell Genetics. 86巻3-4号. 333-334 (1999)
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[Publications] Tatsuya Hayashi: "Organization and Chromosomal Localization of the Human Endothelial Protein C Receptor Gene"Gene. 238巻2号. 367-373 (1999)
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[Publications] Masahiro Nogami: "Intranuclear Arrangement of Human Chromosome 12 Correlates to Large-scale Replication Domains"Chromosoma. (印刷中).