1999 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン分解菌及びその融合菌によるダイオキシン類のバイオレメディエーション
Project/Area Number |
11660166
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
橘 燦郎 愛媛大学, 農学部, 教授 (10112319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 生夫 愛媛大学, 農学部, 助教授 (80172732)
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Keywords | ダイオキシン類 / スクリーニング / バイオレメディエーション / 細胞融合 / 焼却灰 / 土壌 / ダイオキシン分解菌 / 環境浄化 |
Research Abstract |
ダイオキシン分解菌及びその菌から作出した融合菌を用いたバイオレメディエーションによる土壌及び焼却灰中のダイオキシン類の分解について検討した。また、天然から強力なダイオキシン分解菌をスクリーニングすると共に、選抜した菌の細胞融合により親株よりも分解力の高い融合菌の作出も試みた。 1 ダイオキシン分解菌及びその菌から作出した融合菌を用いたバイオレメディエーションにより、土壌に添加したダイオキシン類(2,7-DCDD,2,4,8-TCDF)の分解を試みた。いずれの場合も1ヶ月で約60%分解できることが分かった。しかし、天然から選抜した菌の方が作出した融合菌よりも分解効率が高かった。これは作出した当初の融合菌の能力は、天然から選抜した菌のそれよりも高かったが、継代を繰り返すうちにその能力が低下したためである。土壌に添加した2,3,7,8-TCDDの分解については検討中であるが、土壌中で菌により分解されていることは確認した。 2 アルカリ性で働くダイオキシン分解菌を用いたバイオレメディエーションによる焼却灰中のダイオキシン類の分解について検討した。アルカリ性で生育できる菌を数種単離した。その菌を焼却灰のモデルとして、アルカリ性の焼却炭(石炭灰、ダイオキシン類を含まない)にダイオキシン(2,7-DCDD)を添加して分解させた。1ヶ月で約30〜50%分解した。この結果から、焼却灰中のダイオキシン類の分解は可能と考え、現在検討中である。 3 バイオレメディエーションの効率を高めるため、天然から強力な菌を選抜すると共に、選抜した菌の細胞融合により親株よりも分解力の高い融合菌を作出することを試みた。天然から数種の強力なダイオキシン菌を選抜した。その中の2種の菌を電気細胞法により融合させ、3種の融合菌を得た。この電気融合法は、化学試薬を用いる方法よりも融合効率が遙かに高かった。融合菌のダイオキシン分解能については現在検討中である。
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[Publications] 古賀通房: "数種のダイオキシン分解菌によるダイオキシンの分解"第49回日本木材学会大会研究発表要旨集. 373-373 (1999)
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[Publications] Koga Michifusa.: "Screening of fungi having ability for degradation of dioxing"10th International Symposium on Wood and Pulping Chemistry. 3. 98-101 (1999)
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[Publications] Kiyota Yikinori: "Degradation of dioxins〔2,7-dichlorodibenzo-P-dioxin〕by some fungi in a natural soil"10th International Symposium on Wood and Pulping Chemistry. 3. 102-105 (1999)
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[Publications] 橘 燦郎: "ダイオキシン汚染土壌の木材腐朽菌による生物処理"用水と廃水. 41・8. 698-705 (1999)