1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660202
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
天野 秀臣 三重大学, 生物資源学部, 教授 (40024830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿沼 誠 三重大学, 生物資源学部, 助手 (60303757)
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Keywords | 海藻 / 血液循環障害防止 / 赤血球変形能 / ミネラル / アミノ酸 / カラゲナン / ポルフィラン / リン脂質 |
Research Abstract |
1 生体内における海藻の血液循環障害防止効果の調査 緑藻ミル,ヒトエグサ,褐藻マツモ,ワカメ,ヒジキ,コンブ,紅藻スサビノリ合計5種類の海藻を集め,洗浄後,凍結乾燥した。マウスの餌に2.5%と5%の濃度で添加し,投与した。一週間後に採血後,血液凝固率を測定したところ,ヒジキの5%添加区で強い血液凝固阻止作用を認めた。次いでワカメ,ヒトエグサ,コンブが弱い血液凝固阻止作用を示した。ミル,マツモ,スサビノリにはとくに著しい効果は認められなかった。心筋梗塞自然発症マウス,脳梗塞自然発症スナネズミにワカメ添加飼料を投与したが,4週間の投与では発病を抑制しているかどうかは未だ不明であった。更に長期間の飼育が必要と思われ,現在試験を継続中である。 2 赤血球変形能の増大に及ぼす海藻成分の効果 上記の試験で有効性が推測されたワカメ,ヒジキ,ヒトエグサ,コンブについてミネラルの効果を調べた。ヒジキが18%,ワカメとヒトエグサがそれぞれ14%,コンブが11%赤血球の変形能を改善した。ヒジキを選び,ヒジキミネラル中の有効成分を調査したところ,カルシウム対マグネシウムを2:1とした酢酸カルシウムと酢酸マグネシウムの混合液中で赤血球を処理すると数%変形能が向上した。海藻由来のリン脂質は無効であったが,市販リン脂質標品のうち,炭素数が18のものがかなり変形能を向上させた。アミノ酸ではある種の含硫アミノ酸が有効であった。更に,多糖類を調べたところ,カラゲナンとポルフィランが明らかに有効であった。
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