1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳内アンギオテンシンII分泌はストレス時の循環・発熱・ACTH反応に関与するか?〜microdialysis法とテレメトリー法同時測定による検討〜
Project/Area Number |
11670070
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
渡邊 達生 鳥取大学, 医学部, 教授 (60182929)
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Keywords | アンギオテンシンII / マイクロダイアライシス法 / 炎症ストレス / 非炎症ストレス / プロスタグランディンE / 体温 / 血圧 / ACTH |
Research Abstract |
私たちは、ストレスにより起こる血圧や心拍数の上昇反応ならびに発熱反応に脳内アンギオテンシンII受容体が促進因子として働いている事実を発見した。しかし、覚醒ラットの脳内でストレスによりアンギオテンシンIIが実際に増量していることを示す継続的証拠は未だ報告されていない。本年度は、ストレスが加えられた覚醒ラットの脳内で如何にアンギオテンシンIIが分泌されているかについて、マイクロダイアライシス法を用いて検討した。具体的には、ラットに炎症ストレスとしてプロスタグランディンEの脳内投与を行った。マイクロダイアライシス法により同ラットの視床下部の潅流液を回収し、アンギオテンシンIIの濃度変化を測定した。その結果、回収した潅流液中のアンギオテンシンIIの増量を確認した。この知見から、プロスタグランディンEが視床下部で作用するとアンギオテンシンIIが産出・放出され、これがプロスタグランディンEによる発熱反応において促進的に作用するものと考えられる。今後はプロスタグランディンE投与時の体温・血圧.血漿ACTH濃度と脳内アンギオテンシンII濃度の継続的変化を同一ラットで観察する予定である。また、同様の検討を炎症ストレス以外のストレス(例えば、拘束ストレス)を用いて行う。ストレスによる体温・血圧.血漿ACTH濃度と脳内アンギオテンシンII濃度の継続的変化に及ぼすアンギオテンシン変換酵素阻害薬の効果を観察する
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