2001 Fiscal Year Annual Research Report
保有感覚による中途失明者の環境再認識・生活再建過程解明;バリアフリー化の基礎研究
Project/Area Number |
11670396
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
守山 正樹 福岡大学, 医学部, 教授 (10145229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
我妻 則明 岩手大学, 教育学部, 教授 (30132228)
齊場 三十四 佐賀医科大学, 一般教育, 教授 (30264170)
福島 哲仁 福岡大学, 医学部, 助教授 (90208942)
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Keywords | バリアフリー化 / 中途失明 / 環境認識 / 保有感覚 |
Research Abstract |
研究の最終年度として、触知実験の手順をまとめ、実習書を試作した。 同時に、触知などの保有感覚を生かして社会復帰をする過程を総合的に把握するため、中途失明を克服し、サラリーマンとして働いているS氏の事例研究を試みた。特に注目したのは、社会復帰後に失明前の仕事だけでなく、ボランティア活動までも行っているS氏のコミュニケーションである。2001年11月にA大学医学部の医学概論カリキュラムにおいてS氏が行った授業を分析し、S氏が周囲と人間関係を築く過程の解明を試みた。 「S氏の授業の進め方は、他の講師の授業に比較して、どのような特徴を持つか」を、S氏の授業が終了した直後に、自記式の評価表により、学生に評価してもらった。評価表の作成に関しては、S氏が1998、99年度にも同様の授業をした際に、学生が述べた感想や、医学概論の全授業に臨席したスタッフの印象を参考に作成した。11個の評価項目のうち最初の三評価項目については、S氏の授業は他の授業に比較して有意な低値をとった。特に、「1、黒板を活用する」、および「2、スライドやOHPを活用する」の2項目はゼロであった。S氏の授業に際しては、S氏が職場復帰した様子を報じた新聞記事を資料として印刷し、学生に配布していたが、「3、プリントを活用する」においても、S氏の授業は4.2%と他の授業の82.1%に比較して、有意な低値とった。資料のプリントは講義後に読む参考資料と位置づけられ、プリント自体の解説をS氏が授業中には行わなかったことが、低値の原因と考えられた。4番目以降の項目については、その全てでS氏の授業は他の授業に比較して高値をとり、特に「5、全体の学生に語りかける」、「8、ひとり一人の学生に語りかける」、「9、ひとり一人の学生に問いかける」、「10、ひとり一人の学生の応答から話を発展させる」の4項目に関しては、差が有意であった。これらのことより、S氏の授業は、全体の学生に対しても、個別の学生に対しても語りかけ、問いかけることを、特徴とすることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 守山正樹: ""参加"を重視した子どもの健康づくりとは? 二つの"21"(「健康日本21」と「健やか親子21」)から考える"生活教育. 45・3. 42-48 (2001)
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[Publications] Moriyama, M.: "Participatory Assessment of the Environment from Children's Viewpoints : Development of a Method and Its Trial"Tohoku J. Exp. Med.. 193・2. 141-151 (2001)