2001 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の病態発生機序における脳特異的アポE受容体の関与
Project/Area Number |
11670610
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
難波 吉雄 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80228113)
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Keywords | アルツハイマー病 / アポリポ蛋白E / 脂肪酸 |
Research Abstract |
アポリポ蛋白E(ApoE)には遺伝子多型としてε2, ε3, ε4の3種類が知られている。ApoE ε4がアルツハイマー病の危険因子として認識されて久しいが、未だに分子レベルでこのApoEがアルツハイマー病の病態形成にどのように関与しているかは不明である。 これまでの研究により、最近相次いで発見されたApoE受容体のうち、VLDL受容体、さらに脳に特異的に発現しているApoE受容体であるApoE受容体2, LR11などについて特異抗体を作製、アルツハイマー病脳の免疫組織学的検索により、異常構造物である老人斑や神経原線維変化、また神経細胞にこれらの免疫原存在することを見いだし、その関与の可能性を指摘してきた。 さらにApoE受容体の1つであるLR5についても免疫組織学的検討を行った。その結果神経細胞が陽性に染色されることが明らかとなった。また近年脂質代謝においてApoEと密接な関連を有している脂肪酸結合蛋白についても同様な検討を行った。その結果、皮膚型脂肪酸結合蛋白抗体(新潟大、藤井博士供与)を用いた検討により、神経原線維変化に皮膚型脂肪酸結合蛋白の免疫原性が見いだされた。 脂質は大きくわけてコレステロールと中性脂肪が存在することが知られている。これらのことからアルツハイマー病の病態発生機序には、コレステロールのみならず、ApoE・ApoE受容体や脂肪酸など脂質代謝関連物質あるいはその代謝経路に関わる物質が多数が関与している可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Xue CY: "Different origin of hyperglyceride induced by a high-fat and a high-sucrose diet in ventromedial hypothalamic-lesioned obese and normal rat"Int J Obes Relate Metab Disord. 25. 434-438 (2001)
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[Publications] Ueki A: "Neuroscientific Basis of Dementia"Birkhauser Verlag. 298 (2001)