2001 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病における単球遊走活性化因子MCP―1の病態生理的役割とNF―kBによる制御
Project/Area Number |
11670740
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺井 勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80207472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地引 利昭 帝京大学, 医学部・附属市原病院, 助手 (80235796)
小穴 慎二 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80292704)
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Keywords | Kawasaki disease / MCP-1 / VEGF |
Research Abstract |
川崎病は乳幼児に発症する原因不明の血管炎である。当該研究者は,血中の単球遊走活性化因子MCP-1やVEGFが急性期に血中に増加し,組織においても発現が増強していることを見出した。しかしながら,川崎病の治療薬がMCP-1やVEGFにどのように影響を与えるかはわかっていない。 そこで今年度は,川崎病の治療薬が,臨床症状や検査データおよび炎症性マーカーに対する効果について検討した。川崎病の患者における治療プロトコールを5日間ガンマグロブリン群(グループ1)と5日間ガンマグロブリンに最初の3日ステロイドを併用する群(グループ2)の2群に分けた.いずれの群も冠動脈の発生率に現時点で差があるという報告がない.治療を開始する時点で,治療プロトコールを家族に充分に説明し,質問を得た後に,治療開始の同意を得た。 両群ともに45例の症例について検討した。グループ1は後方視的に検討した。年齢,性別,体重,入院病日,ガンマグロブリン治療量はいずれも両群に差を認めなかった。他の血液検査データでは両群間に有意な差が見られなかったが,発熱期間についてはグループ2が有意にグループ1よりも短縮した。冠動脈瘤の発生は両群とも2例ずつ認めた。 炎症性マーカーにおいては,血中MCP-1はいずれの群もすみやかに減少したものの,血中VEGFは両群いずれにおいても有意な減少はみられず,また治療プロトコールによる有意な減少はみられなかった。ステロイドはVEGFの産生を抑えるといわれているが,今回の検討では血中のVEGFに関しての変化はみられなかった。
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Research Products
(1 results)