2000 Fiscal Year Annual Research Report
新生児、乳児の自律神経機能の発速変化は、乳児突然死症候群発症に関与するか
Project/Area Number |
11670770
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
後藤 一也 大分医科大学, 医学部, 講師 (90178442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 知己 大分医科大学, 医学部, 助手 (80264349)
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Keywords | 乳児突然死症候群 / 自律神経 / 心拍変動性 / 乳児 |
Research Abstract |
在宅終夜記録を行うにあたって、体動分析は従来の体動記録装置では、詳細な体動分析ができないため、専用の体動記録装置(actiwatch)を併用して記録を行うこととした。眼球運動と体動記録によって動睡眠と静睡眠は判定可能であるが、本法では脳波を記録していないため、静睡眠期の睡眠深度の判定は不可能である。本年は、新生児期ポリグラフ記録にて、RR間隔変動(HRV)の自己回帰モデル(DADiSPデータ解析ソフト)を用いたスペクトル解析法を検討して、静睡眠における自律神経機能の経時的な変化を検討した。健常正期産児35人(在胎週数40.7±1.4)のポリグラフ記録(記録日齢6.1±2.7)を対象とした。心電図をワークステーションに取り込み,区間1分のRR間隔時系列についてスペクトル解析を行い、低周波数(LF)成分(0.020〜0.2Hz)パワー.高周波数(HF)成分(0.2Hz〜)パワー(msec^2),LF/HF比を求めた。静睡眠期においては動睡眠期と比較して、副交感神経緊張は増加、交感神経緊張は減少したが、同一静睡眠においてもパラメータ値は大きく変動した。その経時的変化については、静睡眠期の中央で副交感神経緊張が最大になる場合や、動睡眠への移行直前に副交感神経緊張が最大になるパターンなどが観察された。哺乳後の第1静睡眠と第2静睡眠とを比較すると、副交感神経緊張は哺乳後の第1静睡眠に比し、第2静睡眠が有意に大で、心拍数の低下も認めた。成人の静睡眠では、徐波睡眠期に副交感神経緊張が高まることが報告されている。新生児の静睡眠期における自律神経機能の経時的変動と成人の静睡眠の睡眠段階変化を直接結びつけることのできるデータは得られなかったが、第2静睡眠における副交感神経緊張は、哺乳間での短期睡眠、先行する動睡眠など、新生児特有の睡眠リズムに対応した1事象であると考えられた。
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Research Products
(1 results)