1999 Fiscal Year Annual Research Report
レビー小体型及びアルツハイマー型痴呆の高次脳機能と遺伝的危険因子の検討-SPECT所見とアポリポ蛋白E CYP2D6、およびα-Synuclein多型との関係について-
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11670927
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
川勝 忍 山形大学, 医学部・付属病院・精神神経科, 講師 (00211178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 浩一 山形大学, 医学部・付属病院・精神神経科, 教授 (00194192)
和田 正 山形大学, 医学部・付属病院・精神神経科, 助手 (70292414)
奥山 直行 山形大学, 医学部・付属病院・精神神経科, 助手 (50282215)
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Keywords | レビー小体型痴呆 / アポリポ蛋白E / 局所脳血流量 / SPECT / MRI |
Research Abstract |
本年度は、McKeithらの診断基準を用い、レビー小体型痴呆(DLB)が疑われた8例の臨床症状とSPECT所見の特徴を検討した。対象の平均年齢は、72.4±4.0歳、改訂長谷川氏スケール(HDS-R)は平均18±5.1点、Mini-metal State Examination(MMSE)の平均は20±4.3点で、軽度から中等症の痴呆であった。局所脳血流量は、HEADTOMEIIまたはCERASPECT3000を用いて、Xe-133吸入法での定量的測定とTc-99m-HMPAOあるいはTc-99m-ECDでの定性的測定を併用した。1)臨床的には、DLBは抑うつ、不安・焦燥などの精神症状が合併しやすく老年期うつ病との鑑別診断として重要と考えられた。2)SPECT検査では、全脳平均脳血流量(mCBF)は、42±4.0ml/100g/min(正常値50)で、痴呆の程度は軽度でも血流低下が強い傾向が見られ、かつHDS-R、MMSEとmCBFの相関は、それぞれr=0.77(p=0.03)、r=0.69(p=0.06)と高い相関を示した。血流分布については、全例、アルツハイマー型痴呆と同様な側頭頭頂葉での血流低下のパターンで、幻視を有する例で、頭頂後頭部の低下が目立つ傾向が見られた。脳血流トレーサーによる比較では、Tc-99m-ECDではXe-133より頭頂後頭部の血流低下が検出しにくい傾向が見られた。3)ApoE多型については、表現型ではE3/3が67%、E3/4が33%で、遺伝子頻度では、ε3が0.83、ε4が0.17であり、当施設での正常対象(ε3が0.87、ε4が0.07)と比べて、ややε4の遺伝子頻度が高いが有意ではなく、アルツハイマー型痴呆(ε3が0.74、ε4が0.25)よりもε4の遺伝子頻度は低かった。
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