1999 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロキメリズム誘導と移植肺の慢性拒絶反応回避に関する研究
Project/Area Number |
11671327
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
先山 正二 徳島大学, 医学部, 助手 (60291986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 信行 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20311821)
近藤 和也 徳島大学, 医学部, 講師 (10263815)
門田 康正 徳島大学, 医学部, 教授 (60028628)
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Keywords | 肺移植 / ラット同所性肺移植 / 胸腺内移植 / ドナー骨髄細胞 / 拒絶反応 |
Research Abstract |
従来我々は同所性肺移植モデルとして、ドナーとしてBNラットをレシピエントとしてLEWラットを用いてきた。この組み合わせにおいて移植後2および3日目にサイクロスポリン(25mg/day,i.m.)を投与すると移植片は長期に生着する。このとき、レシピエント(LEW)のアロ抗原に対する反応性はドナー特異的に保たれており、移植肺の中枢の気管支において、lymphocytic bronchitisや粘膜下の線維化などの変化が認められ、これらの変化を慢性拒絶反応と捉え、研究対象にしてきた。しかし、これらの病変を形成するには、移植後3から6ヶ月を要する。現在この移植モデルにおいて、胸腺内にドナー由来の骨髄細胞を投与し、慢性拒絶反応の軽減の有無を検討中であるが、未だ一定した結果は得られていない。今回の研究に関連して我々は次のような現象を見いだした。すなわち、免疫抑制剤を投与しないBN to LEW,LEW to BNの肺移植における比較では、BN to LEWの組み合わせが、LEW TO BNの組み合わせより、移植片は早期に拒絶される。ところが、従来通りのCsA(25mg/day)の術後2および3日目の投与では、BN to LEWにおいて移植片は長期に生着するのに対して、本来はBN to LEWに比べ低反応の組み合わせと考えられたLEW to BNでは当初の予測に反して、術後14日以内に拒絶されるという、パラドキシカルな現象が認められた。そこで現在LEW to BNの組み合わせにおいて、移植時に骨髄細胞を胸腺内に投与し、さらに術後2および3日目にサイクロスポリンを投与しする事により、移植片の生着延長に及ぼす、ドナー骨髄細胞の胸腺内移植の検討に着手している。このLEW to BNの系では、サイクロスポリンとその他の免疫抑制両方の併用効果を評価できる可能性がある。
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