2000 Fiscal Year Annual Research Report
マウス骨肉腫骨内病変のElectrochemotherapyと骨電気伝導性の研究
Project/Area Number |
11671415
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石川 朗 山形大学, 医学部, 講師 (60250932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大類 広 山形大学, 医学部, 助手 (20312746)
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Keywords | 骨肉腫 / in vivo electrochemotherapy / 骨電気伝導性 / ヌードラット / bleomyciu / 腫瘍組織内濃度 / 腫瘍壊死率 |
Research Abstract |
研究目的:ヌードラットの後肢の大腿骨内にヒト骨肉腫を移植した骨肉腫モデルを作成し、電極間の距離による骨電気伝導性と骨を介したelectrochemotherapyの効果について解明することを目的とした。 対象と方法:実験群を、抗癌剤・電気穿孔群(D+E+)、非処置群(D-E-)の2群に分け、単純X線像より腫瘍径(膨隆した骨の最大長径および横径)を測定し、腫瘍体積を求め経時的に比較した。また、腫瘍占拠部位での骨修復についても観察した。腫瘍を挟んだ電極間の電気抵抗値を測定し、electroporationにて発生する熱(Q:Calaory)を算出した。BLMの腫瘍組織内濃度の測定は、抗癌剤・電気穿孔群(D+E+)、非電気穿孔群(D+E-)の2群に分け濃度と効果の点を比較検討した。病理組織学的検索では、腫瘍壊死について調べた。 結果:腫瘍は単純X線像で、大腿骨骨幹部ないしは遠位骨端部に骨透亮像および骨破壊像を示した。有効例は、38肢中23肢であった。(D+E+)を1回施行、2回施行、3回施行の回数で比較すると、多数回施行群で有効例が増加した。BLMの腫瘍組織内濃度は、抗癌剤・電気穿孔群(D+E+)において非電気穿孔群(D+E-)と比べて有為に高い値を示し、骨内の腫瘍組織にBLMが取り込まれるelectroporationの効果と考えられた。腫瘍間の電気抵抗値から算出した発生熱は抗腫瘍効果に影響をもたらすものではなかった。 単純X線像で骨破壊が修復される経過を示した例では、病理組織学的検索においても腫瘍細胞の壊死・消失が認められた。骨を介した骨内病変に対するelectrochemotherapyが殺細胞効果を有することを裏付ける所見と考えられた。電極間の距離と効果の間には有意差は認められなかった。
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