1999 Fiscal Year Annual Research Report
卵子雌性前核内への雄性配偶子核注入による受精獲得の試み
Project/Area Number |
11671554
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
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Keywords | ラット / 精子 / 雌性前核 |
Research Abstract |
精子が卵子内に注入されたのち、精子頭部が膨化し雄性前核を形成する。卵子も活性化され雌性前核を形成する。この二つの前核が融合し、分裂が始まる。この融合する過程をバイパスできるかどうか検討するため、以下の実験を行った。 冷凍保存しておいたラットの精子を、ラット卵子に注入した。その後卵子内から精子を取り出し、頭部が膨化しているもののみ、尾部を切断し膨化頭部と中心体を含む尾部に分けた。次にラット卵子を電気刺激で活性化し雌性前核の形成を促す。活性化された(前核が形成された卵子)卵子の前核内に、さきの精子の膨化頭部を顕微鏡下に注入し、併せて精子の尾部を前核の周囲に注入する。106時間培養し、分割卵子、胚盤胞に分化したものの割り合いを評価した。 78.1%(86/110)の卵子が活性化され,37.2%が分割した(32/86)。胚盤胞まで分化したものは1.4%(11/86)であった。 以上より雌性前核内に精子の頭部を注入することでも、受精、胚の発育が可能であることが示された。このことは、体外授精をした際に、受精した段階で胚の発育が停止しているような症例に対して有効な治療法となりうる可能性が示唆された。来年度はこの胚の子宮内移植を行い産仔が得られたら、染色体分析等を行う予定である。
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