2000 Fiscal Year Annual Research Report
卵子雌性前核内への雄性・配偶子核注入による受精獲得の試み
Project/Area Number |
11671554
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 泰久 鳥取大学, 医学部, 助手 (00294314)
|
Keywords | 卵子 / 精子 / 雌性前核 / 雄性前核 |
Research Abstract |
精子が卵子内に注入されたのち、精子頭部が膨化し雄性前核を形成する。卵子も活性化され雌性前核を形成する。この二つの前核が融合し、分裂が始まる。前年度の実験によって雄性配偶子核を雌性前核内に注入することでこの二つの過程をバイパスできることを証明した。 本年度は最適な卵子刺激方法は何かを検討した。電気による刺激と(A群),機械的刺激と薬剤による刺激(B群)を組み合わせた者を比較した。機械的刺激は卵細胞質内に注入ピペットを刺入し細胞質を5-6回にわたって強く吸引しもどすことをくり返した。薬剤による刺激はカルシウムアイオノフォア10μMを卵子培養液に加えた。精子は両群共に培養し頭部が膨化したもののみを用いた。卵子は幼若メスラット(3-4週齢)を過排卵刺激し得られたものを90個づつとした。A群,B群の活性化された卵子,受精卵,分割卵,胚盤胞の割合はそれぞれ,60.0%vs30.0%,47.85vs14.4%,32.25vs6.7%,1.2%vs0%であった。このことより雄性配偶子核を雌性前核内に注入する場合は電気刺激による卵子の活性化が最もよい方法であると思われた。また前年度の結果から精子の膨化頭部だけでなく精子の尾部を併せて注入した方がさらによい結果が得られると示唆された。これは精子尾部の頭部側に中心体が存在しこれが細胞分裂に必要であるがためと思われる。
|