2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671671
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹生 健一 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20251283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅澤 正 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助教授 (00179110)
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Keywords | ret / PTC / thyroid / papillary / carcinoma |
Research Abstract |
我々は昨年度、日本人各種甲状腺疾患におけるret/PTC遺伝子の頻度を免疫組織学的に検討し、分化型乳頭癌の35%にret遺伝子の発現がみられ他の腫瘍性疾患では認められなかったことを報告した。今年度は同様の各種甲状腺疾患を対象に代表的癌抑制遺伝子であるp53遺伝子の異常を検討した。[対象と方法]1986年から1998年までの13年間に東大病院耳鼻咽喉科にて手術を行った甲状腺疾患の中から分化型乳頭癌40例、低分化方乳頭癌5例、未分化癌1例、髄様癌2例、濾胞腺癌2例、濾胞腺腫19例、亜急性甲状腺炎2例、慢性甲状腺炎5例を無作為に抽出しp53の異常を免疫組織学的に検討した。 [結果]p53蛋白の異常発現は分化型乳頭癌1例(2.5%)、低分化型乳頭癌1例(20%)、未分化癌1例(100%)、濾胞腺腫1例(5%)、亜急性甲状腺炎1例(50%)、慢性甲状腺炎2例(40%)に認められ、濾胞腺癌と髄様癌には認められなかった。ret/PTC遺伝子との相関は認められなかった。[考察]p53の分化型乳頭癌の発癌への関与は低く、むしろ低分化型乳頭癌や未分化癌の発癌に関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)