2000 Fiscal Year Annual Research Report
温度眼振反応の三次元分析-耳石器半規管連関について-
Project/Area Number |
11671707
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
新井 寧子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50119880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 素子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60297554)
上田 範子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50232757)
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Keywords | 温度眼振 / 三次元分析 / 神経切断実験 / 頭振 / 非侵襲的 / サル / ハト |
Research Abstract |
温度眼振を構成する要素として、半規管の内リンパ流動の他に、温度変化による内リンパ液体積の変化、神経自発放電の温度依存性、さらに耳石器が直接刺激されることが考えられる。これらがどのような時間経過でどのような割合に関与するかを明らかにすることが本研究の目的である。 重力検出器としての耳石器は常に両耳刺激されるためか、または他にも多くの知覚が重力の検出に動員されているためか、鋭敏・簡便な耳石機能検査がない。温度眼振の頭位による変化を三次元的に検討することは、温度眼振に含まれる耳石器による成分を抽出できる可能性がある。 ニューヨーク大学研究室においてサルの外側半規管神経を選択的に切断し、温度眼振検査をおこなった。実験データをインターネットにより提供を受け本邦において分析した。更に分析結果を送り、意見交換し学会に発表した。この成果を現在論文にまとめている。 ハトは頭部の動きが良く扱いやすい動物のため、躯幹と足を拘束し頭部の動きを2つのビデオカメラで同時記録し分析することにより、頭振を指標とした前庭反応の分析を行っている。回転後頭振を非侵襲的に3次元記録することが可能となった。しかし、温度刺激による頭部運動は観察されなかった。またハトは昼行性の鳥なので暗所での視力は悪いにも関わらず、回転中の頭振は薄明かりでは明所と同様に活発であった。完全暗所にすることによって初めて、20から30秒で回転中頭振が消失し、回転後頭振が出現する。両側外側半規管を切断することによって両者とも消失した。
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