2000 Fiscal Year Annual Research Report
培養表皮角化細胞とメラノサイトへの遺伝子導入効率に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11671780
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 有平 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (70271674)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 平樹 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20002157)
|
Keywords | 遺伝子導入 / ha-tagベクター / トランスフェクタント / リポフェクション法 / エレクトロポーション法 / ゲルソリン / ゲルソリン短縮体 / ヒト皮膚悪性黒色腫 |
Research Abstract |
正常ヒト表皮角化細胞、正常ヒトメラノサイトの株化が困難であったため、角化細胞としてヒト食道癌細胞株であるHEC46、ヒトメラノサイト系細胞としてヒト黒色腫細胞株であるMeWo、G361、そしてCOS7の4細胞株を対象とした。導入遺伝子として、Hemoagurutinin(ha)-tagのプラスミド(pCMVha)、ヒト・ゲルソリン(アクチン調節蛋白質、質量90KDa)のcDNAをpCMVhaに組み込んだコンストラクト(pCMVhaGSN)の2種類を用意した。導入されたか否かは、トランスフェクタントから蛋白を抽出し、細胞が産生する、haが結合したゲルソリン(haGSN)がWestern法で抗ha抗体にて検出されるかどうかで判定した。ゲルソリンのマーカーとして、正常皮膚と皮膚悪性黒色腫組織における野生体ゲルソリンを、Western法で抗ゲルソリン抗体(GS-2C4)にて検出し、haGSNと分子量を比較した。 リポフェクション法ではCOS7、MeWoでhaGSNを強く検出可能であった。また、エレクトロポレーション法でも、MeWoでhaGSNを強く検出した。HEC46では、両方法において、極めて弱いもののhaGSNのバンドを認めた。本研究で我々は、偶然にもヒト悪性黒色腫組織において、通常の90KDaのゲルソリン以外に、交差反応する約85KDaのバンド(GSNp85)がウエスタンブロット法にて認められることを発見した。本短縮体は、過去に報告が無く、研究の主軸をこの短縮体の一次構造解明へと転じた。ヒト皮膚悪性黒色腫の原発組織ならびに転移組織38検体におけるゲルソリンの発現をウエスタン法で調べたところ、原発巣の陽性率は75.8%、再発・転移巣では100%であった。レベルII以上の厚さではp85の陽性率が有意に上昇し、一次構造は、C末端の欠失した短縮体であることが判明した。
|
Research Products
(1 results)