2000 Fiscal Year Annual Research Report
水チャネル蛋白質、アクアポリンの唾液腺細胞における発現と機能調節の分子機構
Project/Area Number |
11671844
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Research Institution | University of Tokushima |
Principal Investigator |
細井 和雄 徳島大学, 歯学部, 教授 (10049413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 徹也 徳島大学, 歯学部, 助手 (80294700)
松浦 幸子 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (50139854)
金森 憲雄 徳島大学, 歯学部, 助教授 (90064865)
津村 恵子 徳島大学, 歯学部, 教務員 (50127841)
多田 淳 徳島大学, 歯学部, 助手 (00314865)
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Keywords | アクアポリン / トラフィッキング / 唾液腺 / 消化管 / 十二指腸 / ブルナー腺 |
Research Abstract |
平成11年度に引き続き、12年度も水輸送に関与する蛋白質アクアポリン(AQP)の研究を行った。AQP存在が1992年、Agre等によって明らかにされ、現在まで、多数の新規AQP遺伝子が報告されてきた。1995年にクローニングされた外分泌腺型アクアポリンAQP5はそのペプチド構造中に蛋白質リン酸化酵素Aの標的となる構造が含まれていることから、本チャネル蛋白質はリン酸化され、それにより細胞内の小胞から細胞膜への移動(トラフィッキング)が起こる可能性がある。実際、腎集合管ではAQP2のC末端に近いSer(256)がADH依存性にリン酸化され、このリン酸化がAQP2のトラフィッキングに関与することが示唆されている。11年度は培養唾液腺細胞に遺伝子導入によって発現させたAQP5の動態を観察しそのトラフッキングについて究明した。平成12年度は、大量に水輸送を行っている消化管におけるAQP5の発現、局在、および調節について研究し、以下の結果を得た。(1)AQP5は多くの消化管に発現し、とくに胃と十二指腸においてその発現は強かった。(2)十二指腸に発現しているAQP5のmRNAおよび蛋白質のサイズは唾液腺や肺と同様それぞれ1.9kbp、および27kDであった。(3)免疫組織化学により、十二指腸ではAQP5はブルナー腺の腺腔側膜に発現していた。(4)消化管ホルモン、VIPの刺激は十二指腸AQP5のトラフィッキングを惹起した。(5)ブルナー腺ではAQP5に加えてAQP1も細胞膜に発現することを明らかにし、AchやVIPによってトラフィッキングが起ることを見いだしている(未発表)。これらについて、現在研究続行中である。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Tada,J. et al: "Involvement of vesicle-cytoskeleton interaction in AQP5 trafficking in AQP5-gene-transfected HSG cells,"Biochemical and Biophysical Research Communications. 266(2). 443-447 (2000)
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[Publications] 市川哲雄 他: "高齢者における口腔ケアと健康に関する基礎的研究"日本歯科医学誌. 19. 75-80 (2000)
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[Publications] Akamatus,T. et al: "Highly regulated expression of subtilisin-like proprotein convertase PACE4 (SPC4) during dentinogenesis"Biochemical and Biophysical Research Communications. 272. 410-415 (2000)
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[Publications] Hosoi,K. et al: "Expression of kininogens in the connective tissue-type mast cells of the rat"Immunology. 101(4). 531-540 (2000)
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[Publications] Kanamori,N. et al: "Search for the Dye that Stains the Vascular System"TE Lett.Batt.New Tech.Med.. 1(in press). (2000)
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[Publications] Wei,W. et al: "Induction of C-reactive protein, serum amyloid P component, and kininogens in the submandibular and lacrimal glands of rats with experimentally induced inflammation"Life Sciences. (in press). (2001)
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[Publications] Parvin,M.N. et al: "Structure, function, and transcriptional regulation of aquaporins, proteins of the water channel family"Dentistry in Japan. (in press). (2001)
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[Publications] 倉淵真悟 他: "マウス顎下腺顆粒性導管の性差とホルモンによる調節 -免疫組織化学的解析-"日本咀嚼学会雑誌. (印刷中). (2001)
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[Publications] 細井和雄(分担執筆) 他: "分子細胞生物学基礎実験法 改訂第2版"南江堂 (印刷中).